シグマフォースシリーズは『マギの聖骨』から読んでほしい|読書感想

元ライターが作家目線で読書する当ブログへようこそ!

今回ご紹介する本はこちら

マギの聖骨 ジェームズ・ロリンズ 竹書房文庫

本作は、『シグマフォースシリーズ』の第1作目です。

作者はアメリカ人ですが、日本を含めた世界中で翻訳され、累計2000万部をこえています。

現在短編集も含め、日本では15作出版されており、このブログを書いている2021年4月現在、新刊『タルタロスの目覚め』も発売されました(私もさっそく買いました)。

第1作の『マギの聖骨』が2012年出版なので、ベストセラーかつ、ロングセラーのシリーズですね。

このシリーズの面白さは知的好奇心を満たせるところにあります。毎回、歴史的事実をテーマにして過去の謎を追うような展開になるんですが、そこに最新の科学を融合させてあるんです!

さらに多彩かつ迫力満点のアクションシーンの連発でアドレナリン出まくりです。

かといって、いくら面白いと言っても、さすがに15作もあるシリーズものに手を出すのは勇気が要りますよね^^;

しかし、私はそれでも「シグマフォースシリーズを読んでほしい!」とおススメめします。

そして、「読み始めるならぜひ、第1作から読み始めてほしい」、とも思っています。

このブログでは、その理由を以下の通りにまとめました。

それでは、ご紹介していきましょう!


1.小説版インディジョーンズ!? アクション、歴史、科学をテーマとした面白さ

そもそも、シリーズ名についている『シグマフォース』とは何でしょうか?

簡単に言うと、『シグマフォース』はアメリカの極秘の特殊部隊の名前で、所属する凄腕のスパイたちがアメリカの国益と世界の安全のために日々暗躍している設定です。

スパイと言うと、『ミッションインポッシブル』や『007』のイメージがぱっと思い浮かびます。数々のアクションシーンがカッコいいですよね。シグマの隊員たちも鍛え上げられた肉体を武器に、アクションを披露してくれます。

しかし、彼らのカッコよさはそれだけではありません。

彼らはいくつもの分野で博士号を取得した、頭脳のエリート集団でもあります。

作中の言葉を借りれば「殺しの訓練を受けた科学者たち」

このフレーズは、初めて読んだときに私の心に突き刺さりました! 運動神経が抜群で頭も天才級なんて、無敵のヒーローじゃないですか、設定だけでかっこよすぎます!

シグマの隊員たちは私のこの期待を裏切らず、頭脳明晰で、各専門分野の知識量を生かして古代から伝わる謎を解き明かしたり、最新の科学技術を応用した戦いを繰り広げたり、と頭のよさもいかんなく発揮してくれます。

とはいえ、博士号もちの主人公が数々のアクションシーンを繰り広げるといえば、映画『インディジョーンズ』シリーズも思い浮かびますよね。

しかし、『シグマフォースシリーズ』はその上をいきます。

作品中に描写される歴史や科学技術のほとんどが、なんと、事実をもとにして書かれているのです。

フィクションの中に事実を織り込んで、読者の好奇心を最大限に刺激するのも、本シリーズの見どころなんです。

シリーズの特徴はわかったけど、小説でアクションって読みづらそう…と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

例えば、「前方にいる敵に向かってナイフを投げつける」シーン、あなたならどう書くでしょうか?

”手首のスナップをきかせて投げつけた。”

”相手に向かってまっすぐに投げつけた。”

”手の先から伸びるようにナイフを飛ばした。”

私が考えた文章です。

ここにさらに、「敵の不意をつくために前方に向かってダイブしながら」というアクションも追加してみましょう。……もう考えるのも面倒ですね(笑)かなり難しいお代だと思います。

しかし、『シグマフォースシリーズ』なら大丈夫。

作者のジェームズ・ロリンズは全米でもアクションを書かせたらナンバー1と評されるほどの筆達者。

翻訳でもその華麗なるアクションシーンは読みやすく、迫力もあります

ちなみにお題にしたナイフを投げるシーンは、実際に『マギの聖骨』に出てくるワンシーンからお代を頂戴しました。シグマの隊員の紅一点、キャットが敵に捕らわれた味方を助けるシーンです。

このシーン、鮮やかなキャットの短剣さばき、目に浮かぶように想像できるんです。私の書いた例文なんて吹き飛ぶくらいのクオリティの高さです。そのクオリティの高いアクションシーンが、作中の随所に散りばめられているから、アクション映画並みにアドレナリンが出ますよ!

ここまで、シグマフォースシリーズの良さを書いてきましたが、小説で似たような作風のシリーズは実は結構あります。私がぱっと思いつくだけでも象徴学駆使して古代の謎に挑むダン・ブラウンの『ロバート・ラングドン』シリーズ。キリスト教の神父であり頭脳エリートでもある神父二人組が世界中の奇跡の解明に挑む藤木凛『バチカン奇跡調査官』シリーズ。どちらも、私は愛読しておりますし、世間的にも人気シリーズです。

しかし、この3シリーズの中で、どれを最も推すかと言われると……『シグマフォースシリーズ』に軍配を上げます

その理由を分かりやすく表にするとこんな感じです↓

シグマフォースシリーズロバート・ラングドンシリーズバチカン奇跡調査官シリーズ
謎解き要素
歴史・科学的事実に基づいた知的刺激
アクション××

やっぱりシグマフォースシリーズの売りであるアクション描写はすごい! 文句なくカッコいい!

ぜひ皆さんにも読んで堪能してほしいです。

2.魅力的なヒロインとの恋愛模様

スパイものといえば、ヒロインとの恋模様も楽しみな要素の一つですね。

ボンドガールと称される各国の美女を相手にするジェームズ・ボンドはその典型です。

シグマフォースシリーズでは、ジェームズ・ボンドみたいなプレイボーイは出てきません。その代わり、一度付き合うと、その女性をとことん大事にする誠実な男性陣がでてきます。女性にはこちら方が読みやすいかもですね。

主人公のグレイソン・ピアーズも誠実な男性の一人ですが、彼の相手が決まるまでには紆余曲折あり、シリーズがけっこう進むまですったもんだします。これは彼の仕事が忙しすぎ、危険すぎるせいで、彼がプレイボーイだからというわけではないですよ^^;

そのグレイをめぐってヒロインが2人登場するのですが、第1作目には2人とも重要人物としてしっかり大活躍しております!

ダブル・ヒロインで、どちらも個性的で魅力的なのは当然のお約束です。どんな女性か簡単にご紹介しましょう。

ヒロイン1人目 レイチェル

イタリア人で聡明かつ気丈な女性として描かれています。美人ですが男勝りなところがあり、高級車を猛スピードで乗り回すワイルドなところがあります。

しかし、ちょっとしたピンチで弱々しい一面を見せ、グレイのことを頼ったりする女性らしい部分もあり、そのギャップが彼女の魅力です。

ヒロイン2人目 セイチャン

ユーラシア系(ヨーロッパとアジアの混血)の美人で、この人も凄腕のスパイです。冷徹に任務に徹し、グレイの敵として登場します。

敵でいる間は常に冷静で残酷さも感じさせ怖い存在でしたが、味方にまわると心強く、心根の優しさをのぞかせることもあるミステリアスな女性です。

どちらも魅力的で甲乙つけがたい……強いて言えば私はセイチャン派です。ミステリアスさは正義。

グレイがどちらとくっつくのか、シリーズを読み進める大きなお楽しみの一つです!

3.シリーズのいいとこ全部詰めした、第1作目のとあるシーンに大注目

私はシグマフォースシリーズに出会ってから、日本で刊行されたシリーズは全て読破しています。

その私が、シリーズ中、もっとも印象的なシーンをあげるとしたら、第1作目『マギの聖骨』の冒頭1/4で書かれている、グレイVSセイチャンの初めてのバトルシーンを選びます。

このシーンには『シグマフォースシリーズ』の良いところが全部詰めされているからです。

ページ数で言うと35ページ程度なんですが、まだ前半というか物語が始まったばかりなのに、「こんなピンチと派手なアクション入れてくる!?」と驚きの連続でした。

このシーンに詰め込まれている『シグマフォースシリーズ』の良さはざっとこれだけあります。

  • 読みやすく迫力のあるアクションシーン
  • 興奮を誘う連続するピンチ
  • 大胆さを持ったタフな主人公
  • 最新の科学技術による好奇心への刺激
  • 知識に長け、咄嗟の機転にも優れた頭脳をもったスパイのカッコよさ
  • 危険かつミステリアスな美女との恋の予感

『シグマフォースシリーズ』の魅力が凝縮された濃いシーンです。

ほんと、ここだけでもいいから読んでほしい、と思うくらい、私の大好きなシーンです。

4.『マギの聖骨』のおおまかなあらすじ

最後に、『マギの聖骨』のおおまかなあらすじをご紹介しておきます。

シリーズ第1作目の歴史テーマは「マギ」です。

「マギ」とは、キリスト教の新約聖書に登場する東方から来たとされる博士たちを示す言葉で、彼らはキリストが誕生したことを祝いにやってきたとされます。

本書ではケルン大聖堂(@ドイツ)に伝わるその「マギ」の遺骨が、「ただの骨ではなかった」というフィクション要素を取り入れて、シグマ隊員たちが骨の正体と、それを手に入れようと企む悪党たちとの死闘を描いています。

それでは、以下、おおまかなあらすじです。

プロローグ 中世

ローマから修道士の一団が逃げていた。追手の狙いは彼らが持っている「マギの聖骨」である。修道士たちは追いつかれてしまうが、彼らが持っていたのは実は偽物。本物の「マギの聖骨」は無事にローマから脱出していた。

プロローグ 現在

ケルン大聖堂でのミサの途中、恐ろしいテロ事件が発生する。ミサに参加していた人間は、ただ一人をのぞき皆殺しにされてしまった。テロ犯の狙いはケルン大聖堂に伝わる「マギの聖骨」だった。

本編

グレイはシグマフォースに属する隊員の一人である。彼はワシントンで単独で任務遂行中に、ギルドと呼ばれる謎のテロ組織の一員である女に罠にはめられ、危うく死にかける。

その任務の後、グレイはケルン大聖堂で発生したテロ事件の調査を命じられる。テロ事件では、犠牲者たちは銃や爆弾によって殺されたわけではなく、その殺害方法が不明のままだった。グレイの任務はその殺害方法と、テロ組織の目的を突き止めることである。

チームには同じくシグマの隊員であるモンク、キャットの2人とヴァチカンから派遣されたスパイであるヴィゴーとその姪であるイタリア警察のレイチェルも加わる。

グレイたちが向かったのはテロ現場であるケルン大聖堂。調査を行っている途中、グレイたちは襲撃を受ける。襲撃者たちの中には、先日グレイを罠にはめたギルドの女スパイ・セイチャンがまじっていた……

この後、グレイはローマ、エジプト、スイス、フランスと移動しながら「マギの聖骨」に隠された秘密を追っていくことになる。


いかがでしたでしょうか?

シグマフォースシリーズは、残りの作品もすべて、このブログ内で順次ご紹介していきます。

皆さんに面白さが伝わって、ファンが増えるといいなあ、と思っています。

ここまで読んでくださってありがとうございました。

よろしければ、感想など、コメントを残していってくださいね。

他のシグマフォースシリーズについての記事はこちらからどうぞ↓

本作の次の作品、シリーズ2作目『ナチの亡霊』↓

シリーズ最新作、シリーズ15作目『タルタロスの目覚め』↓

シリーズの前日譚『ウバールの悪魔』↓

シグマフォースシリーズは『マギの聖骨』から読んでほしい|読書感想” に対して9件のコメントがあります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です