シグマVSギルドの終幕は盛り上がり要素てんこ盛り!『ギルドの系譜』読書感想

元ライターが作家目線で読書する当ブログへようこそ!

今回ご紹介する本はこちら↓

『ギルドの系譜』  ジェームズ・ロリンズ  竹書房文庫

アメリカの秘密諜報機関「シグマフォース」に属する

殺しの訓練を受けた科学者たちがスパイとして

大活躍する『シグマフォース』シリーズ第7作目です。

そしてシリーズ開始当初からシグマの天敵として

何度もバトルを繰り広げてきた謎のテロ組織・ギルド、

そのギルドとの戦いを描いたギルド3部作のラスト1作でもあります。

本作で、シグマ VS ギルド の歴史に幕が下ります……!

そして本作はですね、シリーズのクライマックスの名に相応しい、

盛り上がりを見せています。

正確には、これでもか!ってくらい、盛り上がる要素を詰め込んであるんです。

アクションや最新の科学技術といったシリーズのお約束はもちろん、

グレイたち主要キャラクターのロマンスあり、

魅力的な新キャラクターあり、

(個人的に大好きな)コワルスキの活躍アリ!

おススメポイントが絞れなくらいありました。

それでは、あらすじと感想と共にご紹介していきます!

目次   1. 新キャラは1人と1匹
     2. 破壊力は増すばかり、コワルスキ
     3. 「もうつきあっちゃえよ!」
     4. シリーズファンへのサービス&今後の展開
     5.おおまかなあらすじ


1.新キャラは1人と1匹

それではまず、本作から登場した新キャラクターをご紹介しましょう。

豪華に2人も登場しています。

いや、正確には1人と ”1匹” ですね。

退役した軍用犬のケインとそのハンドラー、タッカー・ウェインです。

任務遂行中の事故をきっかけに退役した1人と1匹が、

今回のギルドの作戦に限って、心強い仲間として活躍してくれます。

ハンドラーというのは盲導犬や軍用犬などの訓練・調教を行い、

その任務遂行を支援する人のことです。

イメージとしては、空港の手荷物を嗅ぎまわって麻薬発見に

役立っているワンちゃん、いますよね。

あの子たちをさらに難しい偵察任務などを遂行できるように

特別に訓練した人と、その相棒の超×3賢いワンちゃんのコンビだと思ってください。

ケインは人間の言葉による命令を何十種類も聞き分けたり、

お腹に添えられた指の動きで命令を感じ取ったりする賢さと

その命令を完璧に遂行する能力を持っています。

人間には不可能な追跡作戦でも、犬のケインならお手の物!

細い路地でも、少ない隠れ場所に潜んでバッチリ小型カメラで

偵察任務をこなしてくれます。

下手に人間が動くよりも、ケインが動いた方が安心して読んでいられるほどの安定感でした^^;

敵に回すのは勘弁願いたいほど、任務に忠実なケインですが、

任務を離れると優しい性格をのぞかせることもあります。

例えば、誰かが落ち込んでいると、敏感に感じ取ってそばに寄り添ったり、

手を舐めてくれたり、抱きしめたくなるような可愛らしさも持っているんです。

もう、コワルスキよりも賢いんじゃないかしら?ってくらい、頭がいいワンちゃんです。

そして、ケインの活躍にはもちろん、

ハンドラーのタッカーとの息の合ったコンビプレイが欠かせません。

何度も危ない戦いを潜り抜けてきた彼らの間には特別な絆が育っていて、

任務開始前に行うおまじないのようなルーティーンに

それが特に表現されています。

何気ない、数行で終わってしまうようなシーンですが、

私の大好きなシーンですので、ぜひ確認してみてください。

ケインとタッカーは最後にはシグマの隊員としてスカウトされるほどの大活躍をみせていました。

このコンビは人気がでたのか、本編のレギュラーキャラクターとしては

定着しませんでしたが、その代わり外伝として2作も彼らを

主人公にした作品が発表されています。

なんと本編と同じボリュームの長編作品として、です!

日本でも翻訳されていて、いずれこのブログでもご紹介したいと思います。

2.破壊力は増すばかり、コワルスキ

さて、ケインよりは賢くないかもしれませんが、

シグマの破壊王・コワルスキは今回も大暴れしていました。

コワルスキが大暴れするシーンは読んでて元気がでるので大好きです。

彼が暴れるということは、大概やりすぎるということもセットなのが

玉に瑕ではあるんですが……

今回も、グレイの「ちょっとした騒ぎを起こせ」という指令に

何故か大乱闘を引き起こしてグレイにドン引きされたり、

コワルスキ本人はちょっと体当たりしただけのつもりが

相手は骨折する始末だったり……

あれですね、少し我が家の息子をほうふつとさせますね。

5歳児はちょっとおもちゃを持たせておくと、すぐに壊します。

ただ、コワルスキが壊すのはおもちゃじゃすまないし、

壊すために使う道具もシャレにならない爆弾や大型銃なのが困ったものです。

さらに、前作くらいから、どうせ壊すなら派手にやらせてみよう、と思われたのか、

コワルスキはシグマの「爆弾」担当になっています。

司令官のご乱心としか思えない事態です。

それ以来コワルスキは、C4爆弾という少量でも辺りが吹っ飛ばせる

威力を持つ爆弾粘土をポケットに入れて持ち歩いている

超危険人物になっています。

さらに今回はそのC4爆弾にコワルスキアレンジを加えて、

……結果はグレイも唖然の破壊力でした。

爆弾の改造に成功している辺り、犬よりは賢いということは

自ら証明してみせたコワルスキ。

しかし、キミは一体どこまで攻撃力に極振りすれば気が済むのか。

作中の清涼剤(笑いどころ?)としてさすがの存在感でした。

3.「もうつきあっちゃえよ!」

これまでシグマフォースシリーズの記事では幾度もとりあげてきた

「グレイはレイチェルを選ぶのか、セイチャンを選ぶのか」という恋の行方。

もう7作目ですからね。一体いつになったらグレイは幸せになれるんだと

少し気の毒に思っています。

そして本作ではどうなったかというと……

まだ結論はでていません^^;(可哀そうに……)

しかし本作ではセイチャンしか登場しないので、

完全な結論が出るのは次作以降に持ち越しということでしょう。

だからといって、何も進展がなかったかと言われると、

そういうわけでもないところがもどかしい!

前作で、グレイとセイチャンは恋愛関係より先に、

友情もしくは戦友という信頼関係を結んだ感じで終わっていました。

そこからの本作、

彼らは隙を見てはイチャつき始めました。

こっそり見えないところで指を絡ませたりして……

「もう付き合っちゃえよ!」と言いたくもなる甘い雰囲気です。

幸い、一緒に行動していたコワルスキやタッカーにはバレずに済んだようです。

いや、見て見ないふりをされたのかもしれません。

今回はグレイを差し置いて他のカップルたちはそれぞれに幸せなゴールを

手にしていますので、それも見どころです。

少しだけネタバレしますと、今回、プロポーズシーンがあります。

その演出方法がさすがというか、アメリカってやることがロマンチックですね。

読んでるこっちの方が照れちゃうようなシーンでした。

ちなみに、このプロポーズにはコワルスキも一役買っていて、

甘いケーキについてくるミントみたいな彼らしいオチがついてくるので、

コワルスキ好きの方はそちらもお楽しみに。

4.シリーズファンへのサービス&今後の展開

ギルドとの戦いも今回で一段落して、「第一部完」と銘打っても

いいくらいの大団円を迎えています。

その記念(?)と言ったら変かもしれませんが、

本作ではちょっとしたファンサービスが施されています。

これまでに登場したことのあるシグマフォースのメンバーは

何かしら活躍の場面が与えられていますし、

シリーズの前日譚『ウバールの悪魔』の読者には嬉しいことに、

懐かしい名前がチラホラ登場します。

本当にさらーっと出てるだけの人もいますので、

探しながら読んでみてくださいね。

ちなみに私が発見したのは3人です。

気づいてないだけでもっといるかもしれません。

そして、本作でシグマの天敵・ギルドとの戦いも終わってしまい、

気になるのはシグマフォースシリーズの今後の展開です。

本作には、今後の展開のキーポイントになりそうな驚きの

新事実がでてきます。

シリーズの重要キャラクターの出生に関わる秘密が明らかになるんです。

妙に思わせぶりな描写があるなあ、と思って読んでいたんですが

そういうことだったんですね、驚きました。

秘密が明らかになると同時に、大きな謎も生まれてしまい、

シリーズの次の作品が早くも読みたくなっています。

今後、この謎がメインになるお話が出てくるとおもいますので、

ぜひ確認してみてくださいね。

5.おおまかなあらすじ

それでは、最後に本作のおおまかなあらすじをご紹介しましょう。

今回は「アメリカ大統領の娘の誘拐」という極めて現実的な事件の

解決に奔走するので、歴史的な謎というのは深く掘り下げられません。

それでも一応、ピックアップされているのが「テンプル騎士団」です。

世界史の教科書で名前くらいは聞いたことのある方もいらっしゃるかもしれませんね。

本書によれば、テンプル騎士団というのは、聖地巡礼の旅人を守るために

同じ一族の9名の騎士から結成されたそうです。

内、8人は名前が判明しているのですが、最後の1人が謎に包まれている……

この謎の1人が何者なのか、というのが、キーポイントになります。

そして本作は歴史よりも科学のテーマの方がものすごく魅力的でしょう。

今回はのテーマは「不死」です。

始皇帝を始め、歴史の偉人たちがこぞって追い求めた不老不死のうちの「不死」ですね。

さすがに絵空事だなあ、と思われましたか?

実は、「不死」の実現は既に予言されていて、

2045年には完成する技術と予想されています。

事故や事件に巻き込まれない限りは人間はずっと生きていられるかもしれない、

そんな時代の到来がSFの夢物語ではなくなってきているんですね。

そして本作では、その技術がもう完成間近なのでは……?

という設定のもと、お話が組み立てられています。

それでは、以下、大まかなあらすじのご紹介です。

プロローグ

現代のアメリカ、某所にて、主人公グレイがライフルを構えている。

スコープの先にはアメリカ大統領ジェームズ・T・ギャント。

グレイが引き金を引いた――そこから物語本編が始まる。

※なぜグレイは大統領を暗殺しようとしているのか?

 暗殺は成功したのか? グレイはその後どうなった?

 数々の疑問は本編後半で明らかになります。

本編

アメリカ大統領の娘、アマンダが誘拐された。

彼女が誘拐されたのは海賊がはびこるソマリア沖。

妊娠後期の身重な身体でもあり、政治的にも重要人物であるアマンダを

救出するため、シグマが捜索に乗り出した。

現地に向かうのはグレイ、コワルスキ、セイチャンの3人。

そして現地で落ち合ったのは1人と1匹、

タッカーとケインの名コンビだった。

アマンダの行方を探るために情報収集を始めたグレイたちだが、

彼らが捜索しているということは誘拐犯たちに筒抜けになっているらしく、

度重なる襲撃を受けつつの追跡任務となる。

困難を乗り越えてアマンダが拉致されていた場所に到着するも、

そこには既に殺されている女性の死体があり、

その場所も証拠隠滅のためにすべて爆破されてしまう。

徹底した破壊工作に司令官のペインターはこの誘拐事件の裏側に、ギルドの存在をかぎとる。

しかし、シグマが起こした大失態に、大統領はシグマの閉鎖を決定してしまう。

ペインターは途方もない事態に頭を悩ませるが、

グレイからの通信で、シグマを救う望みが繋がる。

ペインターたちシグマのメンバーは、国の支援は得られずとも、

極秘で任務続行を決意する。

そしてペインターはアマンダが誘拐された原因を探ろうと、

彼女が治療を受けた不妊クリニックへキャットとリサを派遣し、

自身は情報分析官のジェイソンらと共に、ギルドの血脈の謎を探ろうとする。

グレイたちはアマンダを救い出せるのか。

そしてシグマはギルドの中枢を叩き潰せるのか。

シグマの総力を決して、ミッションインポッシブルに挑むことになる……


いかがでしたでしょうか?

本作で大きな山場を迎えたシグマフォースシリーズ。

読み終えた後は盛りだくさんな内容にお腹いっぱいで

しばらくぼーっと余韻にひたってました(笑)

しかしシグマフォースシリーズはこのあと、

面白さをキープしたまま長編だけで15作目まで続いてるんですね。

そして次回ご紹介予定なのはキャラクター紹介付きの

短編集です。

スケールが壮大すぎて長編じゃないと話がまとまらないんじゃないの!?

というお節介な心配をよそに、短編集もなかなか面白いんです。

それでは、また次の作品でお会いしましょう~

ここまで読んでくださってありがとうございました。

よろしければ感想など、コメントに残していってくださいね。

シグマフォースシリーズの「ギルド3部作」の1、2作目の記事はこちらからどうぞ。

シグマVSギルドの終幕は盛り上がり要素てんこ盛り!『ギルドの系譜』読書感想” に対して1件のコメントがあります。

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