読書感想|映画特典が発売されました、文豪ストレイドッグス 太宰、中也、15歳

文豪ストレイドッグスは元々は漫画、原作者は朝霧カフカ先生、絵は春河35先生によってカドカワから出版されています。漫画が発売されてから順調に巻を重ね、アニメ化、舞台化、映画化、とメディアミックスが行われている人気タイトルです。
原作者である朝霧カフカ先生によるライトノベルも発売されており、今回紹介するのはその最新刊です。
イラストは漫画と同じく春河35先生、出版社も同じくカドカワで、角川ビーンズ文庫のレーベルで出版されています。
それでは、感想を書いていきたいと思います。

この後はネタバレを含みますので、嫌な方はブラウザバックをお願いいたします。

フック

本作の主人公は人気キャラクターである太宰と中也の過去に焦点が当てられています。
漫画では「昔の相棒だった」ということと、二人が組めば『双黒』と呼ばれる無敵のコンビだった、ということが語られています。
この二人の出会い、関係性の発展が作品のテーマです。

まずはフックですが、プロローグで語られる謎の暴力的存在「荒覇吐(あらはばき)」という存在がキーワードになってきます。プロローグでは軽く触れられる程度ですが、後々物語が進んでいくと、辺り一帯の地面を根こそぎさらってクレーターを作るほどの爆発を引き起こす、危険な存在であることがわかります。中也はどうやらこの 「荒覇吐(あらはばき)」 を追っているようだ、と読者に示されます。中也はなぜ 「荒覇吐(あらはばき)」 を追っているのだろう?  「荒覇吐(あらはばき)」 とはなんだろう? これがフックと言っていいかと思います。

プロットポイント1

そして、第1章(作品内ではPhase1との表記)で早々に二人は出会います。が、いきなり喧嘩腰です。漫画内でも仲が悪かった二人、出会いから最悪なのはファンにとってはうなずける展開でしょう。
このあとどうやって二人が協力関係になるのか、その転換点がプロット1となっています。
出会うなり喧嘩を始めた太宰と中也ですが、喧嘩の最中に爆発が起こり、吹っ飛ばされます。
その爆発を起こしたと思われるのが 「荒覇吐(あらはばき)」 であり、太宰が身を寄せるポートマフィアの先代(作品開始時点で死んでいます)だと思われる描写が入ります。
ポートマフィアの先代は病死したと公式には発表されていますが、実は暗殺されて、 「荒覇吐(あらはばき)」 となって甦ったのではないか? そんな疑惑が流れ始めている……現ポートマフィアのボスにはなんとも都合の悪い噂です。
この噂の真相を探るべく、コンビを(無理矢理)組まされたのが太宰と中也、というわけです。

見どころ

この二人、漫画でも相性はよろしくないことはわかっていましたが、15歳という思春期真っただ中に出会ったという設定の本作品内では漫画に輪をかけて仲が悪いです。
おそらく太宰が年齢のせいか、人を喰ったような性格を薄めた描写になっており、荒々しい中也を受け流せないせいかと思われます。
根本的な部分は変わらないものの、年齢設定を変えると微妙に描写も変わってます、なんてところにも注目して読んでみてはいかがでしょうか?

プロット1以降

プロット1以降については要点だけ、簡単にあげさせていただきます(ネタバレが過ぎるため)。

ミドルポイント   仲間の反対にあっても 「荒覇吐(あらはばき)」 を追うことをやめない中也
プロットポイント2 ポートマフィアへ入る太宰と中也

ラストは二人がポートマフィアでもコンビを組んで終わる、のかと思いきや、このお話には続編があるようで、次回は二人がマフィアになったその後が描かれるようです。楽しみですね!

おススメしたい人

まずはもちろん、文豪ストレイドッグスをほかのメディアで触れたことのある方にお勧めです。漫画が原作のノベライズにはあまりいい印象がないのよね、という方は実は多いのではないかと思うのですが、本作品は原作者自らが筆を執っていますので、「作品のイメージが崩れる!」なんてことはありません。キャラクターの性格や言動に違和感が、なんてこともありません。その点は安心してお勧めできます。
あとは青空文庫などで昔の作品を読むのが好きな方にも読んでいただければ楽しめると思います。シリーズ初期から登場しているキャラクターは、元ネタ(?)である太宰治や中原中也のエピソードを採り入れたキャラクター設定や関係性になっています。太宰と中原が仲が悪かった、というのも実際の逸話として残っていますよね? 実際のエピソードや作品を思い浮かべながら読むと、くすり、とできる場面があると思いますよ!

他作品でもありがちですが、シリーズものの途中の巻からの紹介ということで、不案内なところも多いのではないかと思います、すみません。漫画やノベルを読み返した際に、徐々に補填していければと思います。
それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました!

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