読書感想|双子の絆が素敵にかわいい、デート・ア・ライブ5八舞テンペスト(橘公司)

今回ご紹介するのは シリーズもののライトノベルで、その5作目です。

デート・ア・ライブ5 八舞テンペスト  橘公司先生作 電撃文庫より出版

デート・ア・ライブはこれまで1作ごとに異なるメインヒロインがでてきて、主人公である男子高校生、五河士道(いつかしどう)と仲良くなる、というパターンで進んできました。

今回出てくるヒロインは双子、2人います。

双子なので容姿がよく似ているのはもちろんですが、性格はどうなんでしょうか?

双子ならではの魅力をもったヒロインになっていますので、感想とともに紹介していきたいと思います。

目次
 1.簡単なあらすじ(+シリーズを通してのお約束)
 2.双子のメインヒロインがかわいい
 3.この巻からの新展開要素
 4.おススメする読者

 注:2以降はネタバレがありますので嫌な方はご注意ください。


1.簡単なあらすじ(+シリーズを通してのお約束)

修学旅行に来た主人公、五河士道(以下、士道)たちだが、目的地に着いた早々に双子の精霊(※1)、八舞逓耶俱矢と八舞夕弦に出会い、二人の勝負に巻き込まれてしまう。

これまで数々の勝負をして競ってきた2人だが、次の勝負は「よりどちらが魅力的か?」。

勝負の裁定役に勝手に選ばれる士道。

2人は元々1人の精霊であり、負けた方は勝った方の人格に取り込まれて消えてしまうという。

双子の間に挟まれ、振り回される士道。

しかし、耶俱矢も夕弦も、「自分が負けて相手が主人格になればいい」という悲しい願いを持っていることを知る。

士道はなんとか2人同時に精霊の力を吸い取ること(※2)で彼女たちの勝負を終わらせようとするが……

  (シリーズ通してのお約束)

  ※1 デート・ア・ライブの世界には、人ではない凄まじい戦闘能力を持った精霊という存在がおり、普段はこの世界とは違う隣界にいる。一たび、精霊がこの世界に現れると空間震という大災厄をもたらす。

  ※2 精霊に対する対処法の一つ。高い戦闘能力をもった精霊を武力で排除するのは非常に困難なため、士道は過去も何人かの精霊の力を吸い取ることに成功している。しかし、吸い取るためには精霊が士道に対して好感をもっていないといけない。

注:これ以降はネタバレがありますので嫌な方はご注意ください。

2.双子のメインヒロインがかわいい

現実の双子というと、絆が強く、性格や好みもよく似ているイメージですよね。

しかし、メインヒロインである耶俱矢と夕弦の双子は、異なる個性をもっています。

耶俱矢
話方が中二病。例:「我らが在った場所は天の頂にして地の底。幽世の最果てにして現世の傍ら。」
たぶん、適当に難しくかっこよさそうな単語を選んでいるだけで、本人も何を言っているのかよくわかっていません。
相方の夕弦にそのあたりを突っ込まれると「ゆ、夕弦に言われたくないし!」とすぐに普通の女の子の口調になるのが痛々しく、かわいらしい。
大切なことを伝えるときは、ちゃんとした口調で話せる。
口数が多く、夕弦より騒がしい。

夕弦
喋り方が独特で、まず最初に言いたいことを端的に表した単語をいい、そのあとに具体的内容を話す。
例:「指摘。耶俱矢の魔眼は当たった例めしがありません」
冷静な突っ込み役で感情的にはめったにならない。敬語キャラ。
大切なことを話す時でも話し方は変わらない。

本作の見どころの一つがこの性格の異なった双子の掛け合いにあります。

耶俱矢が率先して中二病的な痛い発言をし、それに夕弦が冷静に突っ込み、耶俱矢が焦って素になってしゃべる……というパターンが多いです。

恐ろしい精霊といえど、その正体はかわいらしい女の子、という感じですよね。

士道じゃなくても、双子のどちらも助けてあげたい、という思いに駆られる魅力が、彼女たちにはありました。

ちなみに、双子で片方が騒がしく、もう一方が大人しめのしゃべり方をして、息の合った掛け合いを見せる、というパターンをどこかで見た気がしたのですが、デュラララ!!の 折原九瑠璃と折原舞流ですね。

対照的で魅力が引き出しやすい設定なんでしょうね。

そして、双子の魅力は異なる個性だけではありません。

最初は仲が悪く、絶対に主人格になるのは自分だ!と勝負に燃えるように見える2人ですが、話が進んでいくと、実はすごく仲が良く、お互いにお互いが大好きであることがわかっていきます。

その思いは、たとえ自分の人格が消えても、相手に生きていてほしいと思うほどのものです。

これまでのヒロインたちは士道とヒロインの関係、という二人の間での絆が構築されていく過程がメインでしたが、今作では精霊である双子たちの健気な絆が徐々に明らかになっていきます。

最後のほうで、二人で普通の女の子になれたとしたら……?という仮定のもとで交わす「学校に行きたい」「放課後に遊びに行きたい」などの会話は、ぐっときました。

個性的で思いやり溢れる双子、とってもかわいいメインヒロインです。

3.この巻からの新展開要素

デート・ア・ライブは4巻までに、大きな山場を一つ越え、本作から新展開が始まっています。

ですから、物語の中には新設定の説明や、伏線の仕込みにかなりの文章が割かれており、物語の展開内容としては大人しめになっています。

シリーズ通しての宿敵と思われる人物と組織が出てきたり、前巻のメインヒロインである士道の義理の妹の琴里が士道の敵に回るかのようなセリフを吐いたりと、読者としては緊迫感のある仕込みが多いです。

士道は普通の男子高校生ですが、主人公らしく、正義感や思いやりを持った魅力的なキャラクターとして描かれています。

読者も感情移入しやすい主人公なので、あまりに緊迫感の高い話ばかりだと疲れてしまいます。

しかし、この巻の最後の方には、読者に大きなご褒美が待っています!

ライトノベルには必要不可欠と言っても過言ではない、主人公だけが持つ特殊能力がプラスされるのです。

これまで士道は精霊の力を吸い取る特殊能力はあっても、それ以外は普通の高校生でした。

しかし、どうやらこれから彼は大いなる飛躍を遂げそうです。

読者に緊迫感と、主人公と一緒に成長する快感も与えることで、バランスのいい仕上がりになっています。

4.おススメする読者

シリーズものですので、本書といわず、シリーズ全体としておススメする読者層は、

・若い男性(10代後半から20代前半)
・あかるい青春を疑似体験したい人
・主人公が最強でなくてもかまわない人

です。

ライトノベルは特にそうですが、本を作るときにもメインターゲット層を決めてから作品を作ります。

おそらく、出版社の企画書にはもっと細かいターゲットを記してあると思うのですが、大筋はずれていないと思います。

ちなみに完全なる男性向けなので、かわいいヒロイン大好き!という方以外は女性にはあまりおススメしません。

気になる方は、アニメ化もされている作品ですので、少しそちらを参考にしておおざっぱな作品の傾向をつかんでから読むかどうか決めるといいと思います。

私も、よくアニメで作品の内容を確認してから原作を買う、ということをしています。

シリーズ物は買い出すとかなりの出費になりますからね。

これも転ばぬ先の杖です。


いかがでしたでしょうか?

デート・ア・ライブ5、八舞テンペストをご紹介しました。

読んでいなくて興味が沸いた方、もう読んでいて双子かわいかったな……と思い返していただけた方、いらっしゃたらとても嬉しいです。

ここまで読んでくださってありがとうございました!

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