86(エイティシックス)エピソード6
電撃文庫から出版されている、安里アサト先生の86(エイティシックス)エピソード6を読みましたので感想を書いていきます。
注意!! 以下ネタバレを含みますので、嫌な方はブラウザバックをお願い致します。
86、とかいてエイティシックスと読ませるこの作品は、電撃大賞受賞作品です。
舞台は近未来的で、おそらくロシアから東欧辺りをモデルにした仮想世界になっています。とある大帝国が作り上げた機械兵器たちが暴走し、帝国及び周囲の国に襲い掛かり、人類は絶望の危機に瀕しています。その中でも主人公たちの出身国である共和国は、極端な人種差別政策をとり、機械たちとの戦争に挑みます。国内を86の地域に分割し、その86番目の地域に属する人々は、人ではない、そう位置づけ、機械たちとの戦場に送り込み、戦死しても、人ではないものが死んだのだから戦死者は0、という触れ込みで国内の安定化を図る、というおぞましい設定です。
主人公は86番目の地域出身で、戦場に身を投じる少年少女の中でも、幾多の戦場を生き抜いた屈強な戦士の一人であるシンという少年と、そしてヒロインは共和国内でシン達の指揮をとるレーナという少女です。
いきなりエピソード6を紹介していますが、それには多少理由がありまして、エピソード1~5までは、ほとんどストーリーが動いていないと言ってもいいからです。
もちろん、いろんなエピソードや戦争シーンは面白く、読み応えもあるのですが、主人公のシンやレーナの心情が大きく動くことや、関係の進展はほぼありません。
そして、やっと、このエピソード6で二人の関係が一歩前に進みます。待たされただけに感慨深かったです。
最近のライトノベルには珍しく重いテーマと、そしてキャラクターたちの心情の動きがゆっくりと丁寧に描かれている異色作品だという気がしています。
作品のテーマとしては差別であったり、差別意識からの脱却であったりと重いのですが、機械類や戦争モノが好きな方にはお薦めできる作品だと思います。
恋愛要素はかなり薄味になってしまっているので、硬派な作品を好む方にもいいかもしれません。
主人公のシンはライトノベルらしく、無双タイプの強さを持ったキャラクターになっていますので、うじうじするのが嫌いな人にもいいかもしれないです笑。
良かったら読んでみて下さいね!