「青空文庫」という電子の渦のなかに埋もれた名著『般若心経講義』読書感想

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今回ご紹介する本はこちら

般若心経講義  高神覚昇  青空文庫で無料公開中

般若心経、という言葉を聞いたことはありますか?

この質問、おそらく多くの方の答えは「はい」だと思います。

では次の質問です。

般若心経ってなんですか?

この質問、私は「よくわからない、たぶん、お経の一種?」くらいしか答えられませんでした。

『般若心経講義』を読むまでは。

ここで、『般若心経講義』の詳細なご紹介に移る前に、なんでこの著作をブログの記事にしようと思ったかを、書いておきたいと思います。

だって、だぶんですけどね、この記事、検索して辿り着く方なんていないと思うんですよ(笑)誰も「青空文庫で『般若心経講義』っていうのを見つけたんだけど感想を探してみよう!」なんてならないと思うんですよね^^;

青空文庫には1万点以上の作品・著作が収録されていますからね。芥川龍之介や太宰治ばりの大が3つくらいつきそうな文豪の作品ならともかく、そうでないものは公開されても閲覧数は一桁、なんてものも中にはあるんじゃないでしょうか。

しかも、『般若心経講義』、今回ご紹介しようとしている著作のタイトルですが、今風の言葉で言えば「映えない」(苦笑)むしろ渋い。

たまたまタイトルを見つけた人がいても、目が通り過ぎてしまいそうです。

でも、閲覧数が少ない=作品・著作が優れていない、ではないのです。

これはネット社会に生きる皆さんならなんとなくご了解いただけるかなと思います。SNSや動画で閲覧数が少ないからといって、投稿内容が面白くないわけではないんです。

ネットの網の目を潜り抜けて大きく浮上できるかは運の部分がかなり大きい(むしろほとんど運といっていい)。

そして、今回私が目をつぶりながら「どれ読もうかな? 適当にダウンロード!」でたまたま選んだ『般若心経講義』は、まさにそんなネットという大海の深くに沈んでいた傑作です。

たとえこの記事も一緒に海底に横たわるとしても、ぜひ砂粒を投じるくらいの波紋は作っておきたい、そう思える名文でした。

では、『般若心経講義』を傑作と感じさせたものはなんだったのか、というと

すごくわかりやすい仏教の入門書だった、これに尽きます

仏教。日本人にも関わりが深いと思います。

お葬式にはお経が唱えられることが多いですし、信心深いわけではないけれど毎年夏には先祖の墓参りにお寺に行くよ、という方も多いのではないでしょうか。

信仰しているわけではないけれど、生活のあちこちに浸透している気がする仏教ですが、その教えがどんなものかと聞かれると、回答できる方はものすごく数を減らしそうです。

学校でも世界史か日本史の授業で「昔、インドで釈迦という人が……」みたいな簡単な知識と「その後日本にも伝わり……」とおおざっぱな歴史を習ったことは覚えています。

ですが、具体的な教えの内容となると……ーー;

しかし、『般若心経講義』はその素朴な「仏教ってどんな教えなの?」という質問に、実にわかりやすく答えてくれる著作なんです。

ここでまた、少し自分語りが入ってしまいますが、少々ご勘弁を。

そもそも、私自身、旅行にいく時(特に海外)にその土地の教会、寺院といった宗教施設を訪れるのがすごく好きです。その土地で信仰・親交の場として大切にされてきた建物ってとても落ち着くし神秘的だし美しいし……前にロンドンで訪れた教会で静かに流れるパイプオルガンの低音の中、数人の地元の方が熱心に祈りを捧げている姿を見て、私も思わずひざまずきたくなりました。

そんな感じなので、自然、いろいろな宗教についても知りたくなるわけで、いろいろ本を読み漁ったりしてきているわけなんですが。

仏教については良い本がない!

これは本当になかなか見つからないんです。お経の本も読んだし、仏像の本も読んだし、「よく分かる」と銘打ってある本も読みました。

でも、仏教の教えはよくわからない(苦笑)

そもそも哲学的でわかりづらい概念なんだろうということと、そもそも仏教関連の本を読む人なんて仏教についてそれなりに知っている人だろうから、説明もある程度の知識ある前提で書かれていたりするんですよね。

だからずっと探していたんです。

ド素人でもわかりやすい仏教本。

そして見つけたのが『般若心経講義』でした。

それでは、『般若心経講義』はどんな内容なのか、やっと肝心の中身のご紹介です。

内容はタイトル通り「般若心経」の「講義」です。

さあ、いきなりよくわかりません(笑)般若心経ってなにさ^^;

安心してください、般若心経がどんなもんかというのは『般若心経講義』の冒頭で簡単にわかりやすくちゃんと説明してあります。

要するにお経の一種なんですが、全260字という短さです。ただし、全部漢字ーー;

いくら短くても一般人に読めるわけない! ですが、『般若心経講義』ならお経の解釈をしつつ、仏教の教理を説明してくれます。しかも、すごくわかりやすい言葉で。

タイトルだけ見ると難解そうな印象を受けますが、実際にはとても読みやすく、すらすらと読めてしまいました。

読み終えてから調べて知りましたが、著者自身が仏教の教えをラジオなんかで講義したりして、大衆化に大きく貢献した方らしいです。なるほど、わかりやすさも納得です。

読めば「般若心経」についてもよくわかりますし、仏教の哲学的な教えも理解できる、それが青空文庫で無料で読めるというのもありがたい話です。

そしてこれは人によるかもしれませんが、仏教の教えというのは心を静める作用があるという気がします(笑)無の境地というか、何事にも執着せず、かといって離れ過ぎず、程よい距離を保って生きていく心構えを教えてもらいました。

最近、悩みが多い、なんだかいろいろ考えすぎちゃって息苦しいという方も試しに読んでみるといいかもしれません。


いかがでしたでしょうか?

青空文庫には数万点の故人たちによる著作・作品が収録されていますが、誰もが知る大文豪の作品でなくとも、優れた名文・傑作がかなりの数埋もれています。

あなたにもぴったりな作品を探してみると楽しいですよ。

それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました。

よろしければ、感想などコメント欄に残していってくださいね。

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