イケメンだけど超変人な名探偵が主人公『鴨乃橋ロンの禁断推理』あらすじ紹介パート1

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今回ご紹介する作品はこちら

鴨乃橋ロンの禁断推理  天野明  ジャンプ+(アプリ)にて連載中

漫画です。そして何を隠そう、私は作者である天野明さんの大大大ファンです。

彼の最新作である『鴨ロン』(私はこう略している)が更新される日曜日を楽しみにしています(たまに不定期で休載あり)。

『鴨ロン』はジャンルで言えば名探偵ものです。名探偵といえば、頭脳明晰で少し性格にクセはあっても、正義感が強くて……漫画や小説で出会ってきた名探偵はこんなイメージでした。だから、「天野明さんの綺麗な絵で、カッコいい名探偵が見られるのか……」と読み始める前の私の期待値は、とても高かったんです。

しかし、その期待は半分、裏切られました。

タイトルにある「鴨乃橋ロン」は本作の名探偵役の名前です。名探偵・ロンを言葉で表していくと、「眉目秀麗」「頭脳明晰」……この辺までは期待通りです。「傍若無人」「自分本位」……まあ、名探偵にはこういう人もいそうです。「悪口雑言」「超KY」「黒蜜過多」…………おやおや?

それは性格を表現している言葉なのかと思えるものも出てきていますが、これらの言葉を足し合わせていくと、名探偵「鴨乃橋ロン」の出来上がり、です。

とにかく、私の期待値の斜め上をいってしまった、超がつく個性的な名探偵がでてくるんですね。

それに加えて、個性豊かなイケメン・美女、天野明の独特な笑い、そして秀麗で、とても週刊連載とは思えないレベルの美しさを誇る作画……これまでの天野明作品の良さを出しつつ、「名探偵」 兼 「問題児」を主役に据えた異色の名探偵ものです。

コミックスの売れ行きも順調で度々重版がかかっているようですし、「次にくるマンガ大賞2021 Webマンガ部門」にノミネートされた注目作です。

このページでは、『鴨ロン』のあらすじのご紹介と、読む人なんていないのを覚悟に、「天野明」と『鴨ロン』への愛を語りたいと思います…!

あらすじは、単行本3巻の『マッドカメレオン殺人事件』までをご紹介しています。

続く『夜蛇神様殺人事件』からはパート2以降の記事でご紹介していますので、そちらもご覧ください。

『夜蛇神様殺人事件』以降のあらすじと感想はこちらの記事をどうぞ↓

詳細な登場人物紹介はこちらからどうぞ↓

1.『鴨ロン』への愛を語ろう

私の天野明先生との出会いは『家庭教師ヒットマンREBORN!』です。

思い返せば、子供がまだ生後半年ごろ、「抱っこばかりで疲れた」「夜、なかなか寝てくれない」「母の姿が見えないだけで泣かんでくれー!」と日々の育児の疲れも溜まりまくっていました。

そんな時に、ジャンプ+の企画でリボーンの全巻無料開放キャンペーンをやっていて、たまたま、読んでみたことが、天野明沼の始まりでした。

個性豊かなイケメンたちに、シュールで独特な笑い、そして何よりどんどん美しくなっていく作画……!

完全にトリコになってしまい、迷わず全巻一気買いしました^^

そこからSFバトル漫画の『エルドライブ』も読み、そして現在、『鴨乃橋ロンの禁断推理』のアップがある日曜日が楽しみでたまりません!

『鴨乃橋ロンの禁断推理』の魅力をいくつかあげてみましょう。

1.絵が美しすぎる

もはや額に入れて飾りたいレベル。週刊連載とは思えない。

2.イケメン、美女が目白押し

主役の鴨乃橋ロンはもちろん、相棒の刑事・一色都々丸は可愛い系ですし、女性キャラクターも美女も可愛い系からカッコいい大人の女性まで、魅力的な容姿と性格のキャラクターが揃っています。

誰を推しにするか、悩むはず。ちなみに私は箱推ししつつ、ロンとシュピッツを推しています。

3.独特でシュールな笑い

爆笑を狙いにいくわけではなく、ツッコミを入れるにしても「なんだそりゃ!」という言葉が飛び出すような、そんな笑いが天野明さんの特徴です。

具体例を挙げたいんですが、本当に独特なのでいい例が出てきません。強いて言えばオードリーの春日さんでしょうか……「ちょっと何言ってるか分かんないんですけどね」という相方・若林さんのツッコミがしっくりくるボケな気がします。

4.精神力MAXではない主人公

ジャンプと言えば「友情、努力、勝利」という大きなテーマを掲げているわけですが、「努力」が含まれているせいか、最初から「精神力はMAX! レベル99です!」という主人公が多い気がします。ルフィ、竈門炭治郎、日向翔陽、ジョジョ……彼らは肉体的・技術的に成長を遂げますが、精神力は最初からすごい。頭の中に「諦める」という言葉が存在しないかのようです。

対して、ロンはどうかというと、精神力、そこまで強くないんですね。言動自体は自己中心的で他人のことなど気にも留めないのですが、彼は大きな欠点を抱えています。その欠点のせいで、彼は5年間もの長期間、探偵をやめ、自信を喪失し、一人引きこもって精神的な地獄に閉じこもっていました。欠点が表にでることを、とても恐れていますし、相棒の都々丸がその欠点のせいで危険にさらされたときは、大好きな探偵業をもう二度とやらないと言い出すほど、動揺しまくります。

弱さを持った主人公、それがロンです。

そのロンが、相棒の都々丸の力を借りて、少しずつ立ち直って、自信を取り戻していく過程が、本作品の大きなテーマになっています。精神力MAXな主人公は見ていてとても気持ちがいいのですが、共感できるか? と聞かれると「うーん……」というのが正直な答えと言う気がします。精神力MAXは「憧れ」であって、「共感」ではない、と私は思うのです。

天野明作品は、全部そうなんですが、主人公に現実の人間のような弱さがきちんとあり、それを克服していく過程をすごく大事にしているんですね。それが共感できるし、一緒に心も強くなっていけるような勇気をもらえます。ロンが弱さを克服し、都々丸との絆を深めていく心強さは、数あるジャンプ漫画の中でも『鴨ロン』ならではの面白さだと思います。

さて、長くなりましたが、他にもまだ、『鴨ロン』の良いところはたくさんあります。

各話のあらすじでも、面白さを伝えていけるよう、頑張りますよ!

この先は事件ごとにあらすじを紹介していきます。

2.『大都会連続溺死事件』

やる気はあるけどドジばかりのダメ刑事、一色都々丸は連続殺人事件が起きているというのに捜査から外されてしまっていた。

ベテラン刑事の紹介で名探偵「鴨乃橋ロン」に会いに行くことになった都々丸。しかしロンは初対面から変人ぶり全開で、さらに「探偵はもうやってない!」と都々丸の話を聞こうともしない。

呆れ果てた都々丸は帰ろうとするが、ロンは都々丸がここに来るまで、どこで何をしてきたのか正確に言い当てることができた。

ロンの推理力は本物だ! 都々丸はなんとかロンを事件現場に引きずり出そうとするが、ロンには事件には関われない深刻な事情を抱えていた……

第1話、単行本1巻に収録

(感想)

冒頭に、天才的な名探偵現る! みたいな前振りがあります。

もちろん 天才的な名探偵 = 主人公・鴨乃橋ロン のことです。

見た目もキレッキレのイケメンで、言動も自信たっぷりな姿をみせていて、「イケメンの名探偵ものか~いいねえ、好みの作品!」と思っていたら、再登場した姿にびっくり^^;

ぼさぼさ頭でだるーい部屋着、光も反射しない死んだ目つき。口を開けば自分のことを「ポンコツ」だの「いじけてる」だの……冒頭と同一人物とは思えない豹変ぶりに、「この人にいったい何が!?」という疑問にひきずられて読み進めてしまいます。

その問いに答えが出るまでの間にも、ロンと都々丸のボケとツッコミがテンポ良く繰り返され、天野明ギャグがさく裂。さらに、事件の内容もなかなか本格的です。

今までバトル漫画がメインだった天野明さんでしたが、本作はバトル要素は皆無! 推理ものも描けるなんて……と良い意味で驚かされた第一話でした。

3.『密室の貯金箱殺人事件』

都々丸がロンの元を訪れると、彼は嬉々として事件を待っていた。しかし、都々丸が大した事件はないと言うと、ロンはあからさまにはがっかりする。

都々丸がその日、恐い上司である雨宮に命じられた事件は、貯金箱のお金が不可解な状況で減ったという地味なもの。

ロンは意外にもやる気を出し、現場に出向き鉄壁に守られた貯金箱の謎と向かい合う。

しかし、単なる貯金箱の中身が減った事件はロンの活躍により別の事件に結びつくことになる。

第2話  単行本1巻に収録

(感想)

2人がバディを組んだ最初の事件、ロンのワガママで突き抜けた変人っぷりに拍車がかかっています。

仮にも探偵をさせてもらってる相手である都々丸に「役立たず」「傀儡」と遠慮のない言葉を投げつけ、現場に出向いてもやりたい放題……

しかし、一番有り得ないのはこの顔は良いけど中身は変人に一瞬で心奪われた雨宮でしょう。

彼女、ヒロインの一人で、見かけはキャリアウーマンの大人の女性そのものなんですけどね……いわゆるツンデレというやつで、ただしデレはロンに限っております。

ツンの部分のエグミが強いので、この回だけ読むと、「なんか嫌い」と思われる方も多いでしょう。

しかし彼女はこの後登場するたびに、可愛いさやカッコよさを増していくのです……この後に期待です!

4.『紅染温泉殺人事件』

探偵養成学校BLUEにロンが探偵を再開したのではと疑われる。調査に送り込まれたのは「追跡学」の教官シュピッツ・ファイアだった。

彼の仕掛けにより、福引で温泉旅行を当てたロンと都々丸は紅染温泉へとやってきた。しかしそこで、シュピッツも意図していない殺人事件が発生してしまう。

そして、容疑者となったのは偶然、同じ温泉宿を訪れていた「あの人」だった……

第3、4話  単行本1巻に収録

(感想)

私の推し、シュピッツ・ファイア、登場回です!

最初は変な奴が出てきたな……と思ったのです。キャラデザも、口癖も、ついでに言うなら専門にしている「追跡学」も彼を怪しげなキャラクターに飾っています。

しかし、お話の最後の最後で、彼の「良い奴」っぷりがどんどん芋づる式に出てきますよ。

彼は準レギュラーとして度々登場することになるのですが、登場するごとに、良い一面が見えてきます。山奥の閉鎖的な村でも違和感なく溶け込むコミュ力の高さだったり、ロンからの依頼に迅速に対応する一生懸命さだったり……

「この子、めっちゃいい子じゃん……」と登場するごとに好きになっていきました。

さらに、彼はBLUEの教官らしく、探偵としてのスキルも実は非常に高いんです。作中でいいところを持っていくのが、ロンに続いて多いのはシュピッツだったりします。

彼の活躍も、『鴨ロン』を楽しく読めている大きな理由の一つです。

5.『ハンドコレクター殺人事件』

愛知県警と合同捜査することになった都々丸。全国でNo.1検挙率を誇る敏腕刑事「慧眼のカワセミ」こと翡翠臣疾(かわせみおみと)と捜査することになる。

翡翠にくっついて遺体発見現場に出向く都々丸だが、翡翠からは捜査の邪魔になると、相手にされない。

しかし、そこになぜかやってきたロン。翡翠との推理勝負が始まる。

第5、6話  単行本1、2巻に収録

(感想)

この話はかなりおススメ度が高いエピソードです!

まずは、イケメンの新キャラ・翡翠臣疾の登場。優秀な刑事でもあるので、登場時に期待がわいたのですが、ロンに負けず劣らず、強烈な個性の持ち主で第一印象は「少し残念なイケメン」に落ち着きました。

しかし、この人、お話の後半になるとまた印象が変わります。

都々丸の一途な正義感や一生懸命さは周囲の人間には伝わりづらいらしく、直属の上司である雨宮ですら見過ごしています。その都々丸のわかりづらい長所をごく短時間で見抜いたのが、翡翠です。

さらに、見抜いてからの都々丸に対する翡翠の態度の変化に注目してみてください。彼の誠実な性格がよく分かると思います。

一言でいうと、実はとても良いひと、それが翡翠です。

翡翠は後日、再登場しますが、そこでもさらにいい人っぷりを発揮してくれますので、お楽しみに!

新キャラ翡翠の登場だけでなく、この事件では天野明流のギャグも冴えわたっていました。特に前半の第5話はすごい。コメント欄もギャグ乱発に大いに盛り上がっていました。

私が一番好きなネタは、テキトーな仮装(コスプレ?)で現れたロンに、独特の言い回しで「ロンだよね?」と一応、確認した都々丸の優しいツッコミです。

他にもさっそくあの人の再登場があったりと、『鴨ロン』を試しに読むならこの事件がおススメです。

6.『生放送殺人事件』

テレビの生放送中に人が死ぬという事件が起きる。

その死の状況は、「超能力」でも使わなければ、殺すことなど不可能な状況だった。

しかし、不思議なことに、遺体には殺人の痕跡が発見されるのである……

第7、8話  単行本2巻収録

(感想)

新ヒロイン、もふ先生の登場回です。もふ先生、可愛らしいキャラデザですが、年中手術の予約で埋まっている超天才脳外科医という設定です。

キツイ性格が表に出やすい雨宮とは違い、もふ先生は万人に好まれるタイプです。超がつくドジで天然なところはありますが、医療に携わる者として命を重んじる信念を持っていて、一つでも多くの命を救うためには徹夜での仕事も厭わず、時に厳しい態度をとることもある芯の強い女性として描かれています。

天野明さんはイケメンを描くのも上手ですが、もふ先生のようなキュートで魅力的な女性を描かせても素晴らしい……!と男性ファンの心も掴んでいるようです。

もふ先生の性格を書いていて気が付いたことが一つ。

もふ先生、都々丸と似ていませんか?

都々丸も命を重んじる正義漢の持ち主であり、その正義感に反する行動をとる殺人犯に対しては温和な彼の性格からすると厳しい態度をとっています。

もふ先生には天才脳外科医でありながら超ドジという極端なスペックが割り振られていますが、都々丸ともふ先生の言動には共通点が多いようです。

もふ先生は、都々丸とペアになるヒロインとして生まれてきたキャラクターなのかな、と思ったりしています。

もう一人のヒロイン、雨宮はロンに夢中ですからね!

7.『孤島天文台殺人事件』

都々丸は孤島の天文台から招待を受け、しし座流星群の鑑賞会へロンと共に出かける。

天文台では10年前、島にいた全員が殺害されるという大惨事が起きていたため、都々丸、そして探偵養成学校BLUEの教官も招かれていた。

しかし、刑事と名探偵がいるにも関わらず、またしても殺人事件が発生してしまう。

そして、容疑者として指名されたのは、まさかの「あの人」だった……

第9~13話、単行本2、3巻に収録

(感想)

これまで、事件の捜査中でもボケとツッコミをまじえて軽いノリだった『鴨ロン』ですが、この話はシリアスな展開が続きます。

更新を待ちながら、読んでいた時は毎週ドキドキしていました……!

話の内容がロンの過去の謎に迫ったりと、緊張感のある展開が続いたっていうこともあるんですが、そういう展開が続く、ということは……なんですよ。

ロンの目まで描かれたイケメンカットのコマが通常より倍倍マシぐらいに多かったんですね!

特に事件の最後の第13話では、顔出しレベルではありますが、今後ロンと都々丸の天敵になるであろう新キャラも登場し、彼らも見目が麗しいキャラデザをしておりまして……

「イケメン祭りか!」とコメント欄、盛り上がっておりました。

さらにこの事件を通して、ロンと都々丸の絆も深まったのも、良かったですね。

これまでの『鴨ロン』は都々丸目線で描かれていたので、都々丸から見たロンへの気持ちの変化は、読んでいてよく伝わってきていました。

第一印象の変人から、やるときはやる名探偵へとレベルアップし、徐々に、ロンの優しさや正義感に心動かされ、仕事上の関係から、信頼する相棒、友人へと都々丸の中でロンの立ち位置は変化してきました。

一方、ロンはというと、都々丸のことをどこまで信頼しているのか、普段の言動がおちゃらけ過ぎていて、本心が見えない部分がありました。

しかし、この事件で初めて都々丸へのロンの本心が垣間見えるシーンがあります。

個人的には、この事件を通しての「最高の一コマ」だと思っています。

ここまで読んできてよかった、そう思えるくらいグッとくる一コマです。

8.『毒入りカフェラテ殺人事件』

雑誌・週間ライムの記者・門季チコリ(もんき)が都々丸の元を訪れる。

数々の難事件を解決した名刑事として都々丸のファンになり、密着取材をさせてほしいという依頼だった。

担当させてもらえる事件のない都々丸は喫茶店で話でもして取材を終わらせようとするが、たまたま入った喫茶店で、ロンが店員の仕事をしていて、さらにたまたま殺人事件まで発生してしまう……

第14、15話 単行本3巻に収録

(感想)

シリアス展開が続いた『孤島天文台殺人事件』から一転、癒し系な話が登場しました。(といっても、殺人は起こるわけですが…)

この話のメインは3人目の女性キャラクター、チコリちゃんの登場です。

このチコリちゃん、可愛いメガネっこな外見に似合わず、なかなかの暴走キャラです。

まず登場の仕方からしてインパクトが強いんです。

ロンのおかげで事件を解決することが増えた都々丸を名刑事と決めてかかり、初対面で「神」扱いしてきます。その思い込みの強さで取材中も、地味な書類仕事ばかりな都々丸に違和感を抱くこともなく、とにかく彼のやることなすこと、全てをポジティブに解釈しまくる純粋さと強引さに都々丸はたじたじです。

一途な彼女の妄想(と言ってしまっていいと思う)と内心ぼろが出ないかハラハラしながら「誤解だー!」と内心突っ込んでいる都々丸とのギャップに読んでるこっちはニヤニヤが止まらないわけです。

そんな暴走キャラのチコリちゃんですが、彼女の一番すごいのは、都々丸の良さを見抜いたところだと思います。都々丸の長所は、一生懸命に刑事としての仕事を果たそうとするひたむきさと正義漢ですよね。都々丸のことを誤解しまくっているチコリちゃんなのに、話の最後では彼の本質を正しく掴んでみせています。

妄想家ではありますが、直感力はロンや翡翠に並ぶものがありそうです。

すごいなチコリちゃん、ロン達にまた強力な仲間が加わりました。

仲間と言えば、名探偵には推理や捜査を支える協力者が必要不可欠です。金田〇少年や名探偵コ〇ンにも、刑事、記者、格闘家、優秀なライバルなど、名脇役がたくさん登場しますよね。ここまででロンにも、刑事(都々丸、雨宮)、追跡(シュピッツ)、医者(もふ)、優秀なライバル(翡翠)、記者(チコリ)と順調に脇役が揃いつつあります。

あと必要な脇役は何でしょうね……腕っぷしの強さは、警察である雨宮や翡翠が兼ねているのかもしれませんが、あとは発明家、とかでしょうか?

もしくは泥棒やマジシャンなど、犯罪者よりで互いに利用し合う関係とか……?

本当に出てきたらビックリですけどね!

9.『特別編 夜明けの砂場殺人事件』

朝の6時にロンのもとを訪れた都々丸。徹夜で事務処理をしていたせいか、来る途中で幻覚をみたという。

その話に興味を持ったロンは、都々丸と共に、幻覚を見た公園に向かう。

そこでロン達が発見したのは埋められている死体、そして犯人を告発する謎のメッセージだった……

特別編  単行本3巻に収録

(感想)

『鴨ロン』が少年ジャンプ本誌に特別読み切りで掲載された時の特別編です(少年ジャンプ2021年10号に掲載)

内容は第1話をリピートしているような感じで、ロンと都々丸の基本的な性格や、ロンがなぜ失意の5年間を過ごし、探偵を諦めていたのかなどを短くまとめてあり、初めて『鴨ロン』を読む人向けになっています。

とはいえ、ギャグや事件は完全オリジナルなので、「ジャンプ+で読んでるよ組」にも十分楽しめます。

ギャグは終始、「アリ」で押してきます。

虫の「アリ」です。

「アリ」を推してくるロンに、律義に毎回突っ込む都々丸が可愛い&面白いです。しかも「アリ」はただギャグのネタとして出してきたわけじゃないんです。事件解決のヒントにもなったりして……

いやー、ほんと、事件のトリックだけでなく細かいところまでよく考えてあります!

ちなみに、この特別編、ジャンプ本誌に掲載されたときはセンターカラーだったんです。

ロンが上を見上げてモデルのようなポーズをとっている、超カッコいい構図の絵がフルカラーで掲載されていて、「単行本でもカラーページで載せてほしい!」と思っていましたが、やはり白黒になってました(おかげでまだジャンプは家にあります…永久保存にしようかな)

が、後日ジャンプ+にも特別編が配信されまして、表紙はばっちりフルカラーバージョンでした!

フルカラーバージョンが気になる方はチェックしてみてくださいね。

10.『マッドカメレオン殺人事件』

『ハンドコレクター殺人事件』以来、スランプに陥っている「慧眼の翡翠」。

絶不調の翡翠と再会した都々丸は、彼と共に通り魔に遭遇する。

得意の慧眼を発揮できない翡翠の前に現れたのは「あの男」だった……

第16、17話  単行本3巻に収録

(感想)

超優秀なイケメン刑事、慧眼のカワセミ、再登場回です。

名探偵ものにはよく登場する「優秀なライバル」キャラ。

金〇一少年で言えば「明智健悟」、名探偵〇ナンで言えば「服部平治」、『鴨ロン』で言えば「翡翠臣疾」!というわけです。

ライバルらしく、推理合戦でもするのかな、と思いきや、翡翠が超スランプ状態にあるという、意外な始まり方でした。しかし、スランプなせいもあるのか、初回登場時に少しだけ顔をのぞかせていた、良い人の部分が、最初から全開でしたね。

私が注目したのは都々丸と入った味噌煮込みうどん屋さんです。

2人で向かい合って座ったテーブルの上には味噌煮込みうどん。ただし、都々丸の前だけ。翡翠の前にはお茶しかないわけです。「急いで一人だけ食べたのか?」とも考えられますが、その後、翡翠はのんびり、都々丸の土産物選びにまで付き合っています。ということは、東京からはるばる(というほどの距離でもないか)やってきた都々丸のために、翡翠がわざわざ、名古屋名物として案内してあげたのでは? と思われます。

自分は食べないのに、です。

忙しいはずのエリートなのに、なんて良い人……!

この話を読んで、翡翠ファンが増えたんじゃないかな?

私も感想を書きながら「翡翠さん、ほんと良い人だわ~」と再登場が楽しみになりました。


いかがでしたでしょうか?

これからも『鴨ロン』の良さをどんどん伝えていきたいと思います。

『マッドカメレオン殺人事件』以降のあらすじと感想はパート2、3の記事をご覧ください。

詳細な登場人物紹介はこちらからどうぞ↓

『鴨ロン』以外にイケメンが出てくる小説、漫画などに興味がある方はこちらの記事もどうぞ↓

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