読書感想|確かに効果あるかも……、ウォーキングの科学(能勢博)
元ライターが作家目線で読書する当ブログへようこそ!
ウォーキングの科学 能勢博 講談社ブルーバックス
大好きなブルーバックスシリーズより一冊ご紹介です。
本書には副題がついていまして、
「10歳若返る本当に効果的な歩き方」
という、運動不足による体力の衰え激しい私には興味をそそられる内容です。
本の中で筆者の長年の研究内容、すなわち中高年を対象に、効果的な運動法を模索した研究課程とその結果、その集大成として効果的な運動法を紹介しています。
細かい理屈や効果のエビデンスなどは本書をお読みいただければと思うのですが、一番気になるのは、
本当に10歳若返るの?
私も読む前にそう思った一人です。
世の中にこういったノウハウ本は数多くあれど、多くあれば当たりはずれもあるのが実情ですよね。
せっかくなので、本書を読んで、内容に則った運動法で、どれだけ体力がついたか、実体験をご報告します。
なお、私は一介の主婦ですので、効果の測定法はいたってアナログ、主観によるもので、計測等、数値で目に見える形でお出しできるものはありません。
数値に基づく証拠は本書に譲ります。
あくまで個人的に試してみて、効果を実感できたかどうか、といった体験記であることをご了承ください。
目次
1.本書のおおまかな内容
2.始めてみて1週間
3.それから一カ月後に事件は起きた
1.本書のおおまかな内容
体力の維持・向上のために必要な運動はどういったものか?
本書ではこの問いを研究した経過と結果、さらに効果アップに繋がるサプリメントや栄養素の摂り方などを紹介しています。
ここで重要なのが、「体力」とは何か、ということです。
「体力」を本書では「持久力」と「筋力」であるとしています。
「持久力」とは、例えばウォーキングでいうと、どれだけ速く、長く、歩き続けられるかで評価します。
「筋力」とは、ウォーキングでいうと、途中に障害物が出てきても反射的に回避する能力や、長い階段・上り坂にも対応できる能力で評価します。
本書で重要視されているのは「持久力」の方で、速くそして長く歩き続けるためには、
・運動中に身体に酸素を取り込むための呼吸器系(肺)
・酸素を全身の筋肉に送る循環器系(血管、心臓)
・筋肉が酸素を受け取るための毛細血管の発達
これら3つが機能していることが重要です。
どれだけ機能しているか、測定するための指標は「最高酸素消費量」で、運動時に単位時間当たり、どれだけの酸素を消費しているかを指すものです。
この「最高酸素消費量」は加齢に伴い下降していきますが、運動によっては維持・向上させることが可能です。
ではどのような運動をすれば、効率的に「最高酸素消費量」を向上できるのか?
その問いに作者が出した答えが「インターバル速足」というものです。
インターバル速足のやり方は簡単です。
<やり方>
続けるとややきついくらいのスピードで、3分間速足し、その後3分間ゆっくり歩く。
これを1セットとして1日5セット、週4日を目安に実施する。
これだけです。
もっと言えば、1日15分の速足を一気にまとめてやってもいいし、もっと細かく分割してもいいそうです。
要するに、上記<やり方>に相当する量のウォーキングを、1週間で行えばいいということです。
これを数カ月継続していくと、「最高酸素消費量」が向上していき、本書の副タイトルである「10歳若返る」だけの体力向上が望める、ということです。
2.始めてみて1週間
理屈はこれくらいにしておいて、実際に始めて見た様子をご報告します。
まずは騙されたと思って1週間やってみることにしました。
子供の幼稚園のバス停まで、我が家から徒歩約15分の場所にあるので、子供を送った後、そして迎えに行く時の1往復分をインターバル速足の時間に当てることにしました。
普通に歩けば15分なので、速足でいくと10分未満に短縮してしまいます。
しかし平日の5日間はウォーキングできるので、ざっくりノルマはクリアできるでしょう。
最初の3日間くらいは生真面目に3分速足で3分ゆっくり…とお手本通りやってみました。
初日はきつかったのですが、3日目には物足らなくなってきて、ゆっくり歩くのを止めてずっと速足で歩くようにしました。
そして1週間経ったころ、始める前と後で、変化があるか考えてみたところ
・夜、早く眠れるようになった
・家事をしていても疲れにくくなった
・食欲が増した(汗
と、嬉しい変化もあればそうでない変化もありました。
特に、 入眠が遅いのが長年の悩みだったので、夜早く眠れるようになったのはありがたかったです。
全部が全部、ウォーキングの成果かは不明ですが、少なくとも、始めてみて前向きの変化を感じ取ったところをみると、精神的に気分を上向きにする効果は、確実にあったと思われます。
3.それから一カ月後に事件は起きた
さて、それから一カ月ほど、現在このブログを書いているときまで、ウォーキングの習慣は続いています。
毎日、強制的に発生する幼稚園の送り迎えとセットにしたのが続いたのコツですね。
続けてはいましたが、1週間経ったころと比べて、特別に体の変化は感じていませんでした。
が。
ある日事件は起こりました。
そろそろ幼稚園のお迎えに行かねば…と、いつもの道を速足で歩き、半分くらいのところで携帯に着信。
同じバス停を利用しているママからの連絡でした。
「バス、もう来てますよ」
うそ~~!!
と叫びたくなりました。
いくら速足とはいえ、今いる場所からバス停までは5分以上はかかります。
このままだと幼稚園バスが息子を乗せたまま発車してしまう!
焦った私は
「走ります!」
とだけ返信し、そこから普段絶対やらないような猛ダッシュ。
残りの道を全部走ってバス停に向かいました。
その甲斐あってか、幼稚園バスはまだ待っていてくれて、息子も「ママ遅いよー」と言いながらもニコニコしていました。
先生と他のママに遅刻をお詫びし、ふうと一息ついて、帰り道を息子と歩き出しました。
……と、その時、自分の身体の違和感に気づきました。
自慢ではないですが、私の運動不足は深刻で、ちょっと走っただけで息切れ・動悸・倦怠感がぐわっと襲ってくるような人なんですが、
この時、私は軽い息切れしか感じていませんでした。
疲労感はあるものの、むしろ心地よい程度で、いつも感じた倦怠感とは雲泥の差です。
この変化の心当たりは一つしかありません。
速足のウォーキングの成果が、こんなところに現れたのです。
(やった~~!!)
ものすごく誰かに自慢したくなりましたので、ここに書きました(笑。
なんとなくでも続けていたら、ちゃんと身体は応えてくれたみたいです。
ただ、寝る時間になるころに、足が筋肉痛を訴えてきて、悶絶していましたが……
いかがでしたでしょうか?
今回ご紹介した『ウォーキングの科学』、私は確かに効果を実感することができました。
やり方も簡単ですし、毎日の買い物や通勤など、強制的に歩かなければならない時間を、速足ウォーキングの歩き方に変更すればいいだけなので、続けやすいところもポイントだと思います。
ただ、本書の対象は中高年といっても、50代くらいからを指しているようで、30、40代の方にはこれだけではこの足りないかも?という印象です。
まずはやってみて、そこからランニングに切り替えてみたり、他のスポーツをするための基礎体力作りにしたり、と若い人にはそんな楽しみ方でもいいかもしれませんね。
運動不足の私は、当分この速足ウォーキングを続けてみようと思います。
何か変化があればまた、ご報告しますね。
それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました!
よろしければ感想など、コメントいただければ嬉しいです。