イケメンだけど超変人な名探偵が主人公『鴨乃橋ロンの禁断推理』あらすじ紹介パート2
元ライターが作家目線で読書する当ブログへようこそ!
このページでは、ジャンプ+で連載中の漫画『鴨乃橋ロンの禁断推理』のあらすじと感想をご紹介しています。
パート2は『夜蛇神様殺人事件』から『硬貨と刻印殺人事件』までご紹介しています。それ以前のお話はパート1の記事を、『盆踊り殺人事件』以降はパート3ご覧ください。
パート1では私の「天野明愛」と「鴨ロン愛」も熱く語っております……!
次に来るマンガ大賞2021Webマンガ部門にノミネートもされ、一段と知名度も上がったかなと思われる『鴨ロン』。
注 『鴨ロン』は私の個人的な略し方です。
本格推理漫画でありながら、メインストーリーとして描かれるロンと都々丸コンビの成長もどんどん盛り上がってきています。
コミックスも発行部数30万部を超えたそうで絶好調ですね!
現在、『見えない血文字殺人事件』までのあらすじと感想をアップしています。
(最終更新2022年9月26日)
単行本の発売や、連載の更新のタイミングでどんどん更新していきますので、しばらく経つと内容が変わっているかも……?
また覗きに来てくださいね!
それでは、あらすじと感想をご紹介していきましょう。
目次
『鴨ロン』の詳しい登場人物紹介はこちらの記事をどうぞ↓
1.『夜蛇神様殺人事件』
(あらすじ)
ロンはシュピッツの行方不明となった家族捜索の依頼を受ける。民俗学者であるシュピッツの兄は、11年前、シュピッツと共に訪れていた山奥の村で行方不明となっていた。
何度も村を訪れているシュピッツに案内され、一行は村長の家に泊ることになる。
そして夜、ロン達は村長の家から見えた宿泊小屋に大きな蛇に体中ぐるぐる巻きにされた人影を見た。慌てて宿泊小屋に駆け付けたロン達だが、宿泊小屋の周りには人の出入りした足跡もなく、小屋の中も無人であった。
しかし翌日、村はずれの滝つぼで死体が発見される。死体には首には蛇の鱗のような模様で、絞められた跡が残っていた。
ロン達は密室殺人に挑むこととなる……
第18話~第21話 単行本3、4巻に収録
(感想)
前々から伏線になっていたシュピッツの兄の行方を探すお話でした。てっきり外国に探しに行くのか、と思いきや舞台は日本の山奥、しかも横溝正史ばりの昔の風習や呪いが生き残る村でした。内容も古き良き推理小説の趣きがあって、金田一と名のつく探偵が好きな方にはドストライクな回だったと思います。
私個人で言えば、お気に入りのキャラ、シュピッツが登場していたので、そういう意味でも楽しめました。
いつも元気で人懐っこいシュピッツ、見てると元気になれるんですよね。
彼の明るく話しやすい人柄のせいなのか、名前も容姿も外国人丸出しなのに閉鎖的な山奥の村人たちにも好意的に受け入れられているのがなんだか笑っちゃいますし、ロンと都々丸とも実際に顔を合わせるのは2回目だろうにものすごく自然に溶け込んでいます。
ロンの出された食事を黒蜜まみれにする奇行にも、シュピッツは動じるどころか、「味見していい?」と好奇心丸出し。何回同じ光景に遭遇しても突っ込まずにはいられない都々丸とはすごい違いです。
修学旅行の夜にふざける男子たちの光景みたいでおばさんには懐かしく微笑ましくうつりました……
突っ込む相手が増えちゃった感のある都々丸は大変そうでしたけどね^^;
『夜蛇神様殺人事件』は男子3人組の活躍により無事解決しますが、このお話はそれだけでは終わりません。
というか、むしろ本題は解決した後に待っていました。
連載をリアルタイムで追っていた時も衝撃を受けましたし、この記事を書いている現在は『高原オーベルジュ連続殺人事件』が連載中ですが、改めて『夜蛇神様殺人事件』のラストを読んで、とあるキャラクターの発言に「こんなところにも伏線が!?」と驚いています。ラストだけでも読み直し必須です。
2.『渋谷黙示録連続殺人事件』
(あらすじ)
ついに動き出した伝説の犯罪一族、M家。その最初の刺客であるウィンターがロンに挑みかかる。
事件の舞台は渋谷。
発見された遺体には暗号が記されており、次の犯行現場と時刻を予告していた。
ロンと都々丸は、連続して起こる事件から被害者を守ろうと渋谷中を駆け巡る。
しかし、解いても、解いても、次々と新たな謎と暗号をまき散らすウィンター。
いつも自信満々のロンだが、これまでにない焦りをみせる……
第22話~第27話、単行本4巻に収録
(感想)
いよいよ本格的に登場しました、M家!
この事件は『孤島天文台殺人事件』以来のシリアスな展開に加えて、さらに謎解きに制限時間まで課せられたスリリングさもプラスされています。
さすが史上最悪の犯罪一族と銘打たれているだけあって、ロンも焦りが隠せず、シリアス顔がものすごい頻度で描かれていました。
いやあ、カッコよかった。
ロンの活躍もカッコよかったけど、今回は雨宮とシュピッツも渋い活躍をみせています。
特にシュピッツファンの人は読んだ方がいいですね。
ある意味、この事件のMVPはシュピッツですよ。
それに雨宮もこの事件から印象が変わりましたね。
今回の事件で、M家を引っぱり出すために民間人を利用しようとする展開があります。都々丸は雨宮に作戦の報告はするものの、彼女の回答は当然の、NG。これは当然ですよね。
しかし、その後の雨宮の行動がものすごく男前!
その時のセリフもまた勝気な彼女らしい言い回しで……「いいとこあるじゃん!」と都々丸と一緒に嬉しくなりました。
これまでの雨宮と言えば都々丸への辛辣な言動、同期の翡翠(かわせみ)への強すぎるライバル心などなど……「いい性格してますね」という気が強いを通り越した攻撃的な部分ばかりが目立っていました。
正直、あまり好きになれそうにない性格をしているなと思ってたので、見直しました。
さらに、この事件以降、彼女は少し雰囲気も柔らかくなり、他のヒロインにはないカッコいい大人の女性としての魅力がアップした気がします!
ロンへの恋心もちょっと応援したくなってきた、そんなきっかけにもなった事件でした。
3.『真夏の海の家水死事件』
(あらすじ)
M家・ウィンターとの激闘に疲れているロンを見かねた都々丸は、気分転換にロンを海へと誘い、もふも一緒に行くことになる。
久しぶりの海ではしゃぐ(?)ロンに振り回されつつ、レジャーを楽しむ一行。
しかし、泳いでいたもふが男性の水死体を発見する。
一見、水難事故のように見えたが、ロンはすぐに殺人だと見抜き捜査を始める。
事件解決のきっかけは、もふのいつもの ”ドジ” だった……
第28話~第30話、第28は単行本4巻に収録、続きは単行本5巻に収録
(感想)
M家との緊迫した事件から一転、今回の事件は海の遊びを楽しむロン達の姿にほのぼのとするお話でした。
事件のトリックこそはさすがの本格的なモノでしたが、海ならではのイベントにギャグを絡めてあって面白いし海気分も味わえてお得な感じでした^^
もふ先生が医師としても活躍した事件でしたが、ギャグ要員としても大判振る舞いされていました。
可愛いですよね、もふ先生。
ふわっとした女性らしいキャラデザも可愛いですし、ロン達に惜しみなく協力してくれるところとか、性格の良さが滲み出ていて好感が持てます。
しかし、そんな彼女の再登場シーンはかなりのインパクト。
大量の小銭とともに現れるヒロイン、初めて見ました。
そして、今回の事件の舞台は ”海” とくれば、水着、ですよね。
もふ先生、期待に応えて水着姿、ちゃんと全身が入ったコマがありました。
でも、うーん、可愛い、は可愛いんですけどねー……という感じの絵になっております。
どうやらもふ先生、見た目も性格も可愛いキャラ設定のわりに、ギャグシーンを多めに入れて、可愛くなり過ぎないように注意して描かれてる気がしますね^^;
まあ、でも、他のヒロインたちは性格上、ロンか都々丸のどちらかにツンツンとした態度をとってますからね……
もふ先生の柔らかいキャラは浮いてるっちゃ浮いてるのかもしれません。
でも、もふ先生はギャグに使われていても十分可愛いと思います。
4.『天才作曲家誘拐事件』
(あらすじ)
天才を誘拐してはその才能を堪能してから解放する才能誘拐犯、ハミングバード。
毎回わざわざ予告状を出すという愉快犯かつ、警察の大包囲網すら潜り抜ける知能犯で、警察の手をてこずらせていた。
ハミングバードの次の標的は天才作曲家にょにょん。
都々丸とロンはにょにょんの別荘に呼ばれ警視庁の捜査員と共ににょにょんの誘拐を防ごうとする。
しかし、ちょっとしたアクシデントの隙に大勢の捜査員が見張っていたはずの部屋から、にょにょんは姿を消してしまう……
第31話~第34話、単行本5巻に収録。
(感想)
今回の事件はとてもユニークな犯人でした。
誘拐される人は迷惑かもですが、あまり罪がないというか、読者としては安心して楽しめる犯人像です。
実はこの話、読者にはハミングバードの正体が早々にわかるように仕掛けがしてありました。
だから、読むほうはハミングバードだと知っている人間がロン達と何食わぬ顔で会話をしているという、ハラハラさせるシーンが多かったんです。
それに今回の犯人の好きなものは「天才」。
そう、天才といえば、我らがロンも大天才の一人ですよね!
「これ、最後ハミングバードがロンに惚れ込むんじゃない?」などの、事件解決後の展開についてコメント欄は盛り上がりを見せていました。
そしてこの事件、ロンは見事解決してみせるところまではお約束なんですが、ラストのオチは……かなり意外でした。
なんというか、ものすごくいい話になるんですよ。
人が傷つかないし、ラストも素敵だし、読んでみてほしいお話トップ3に入るくらいの内容でした。
5.『心理学研究室殺人事件』
(あらすじ)
事件がなさすぎて暇なロンは都々丸を連れて記者であるチコリの取材についていくことにした。
訪れたのは大学の心理学研究室で、学生の姫野に研究室内の設備や研究内容を教えてもらう。
取材の翌日、チコリから研究室で爆発事件が起こる。
爆発の発生は明らかに故意であり、事件として都々丸が捜査を行うこととなった。
しかし研究室内の人間関係はとても殺伐としており、容疑者を絞り込むことさえ困難だった……
第35話~第37話、単行本第5巻に収録
(感想)
珍しく、本当に珍しく、解決編を読むまでに自分なりに推理した内容が当たってました!
全部が当たったわけではなかったですが、犯人と脅迫状の謎を解いたから、まあ及第点と言っていいでしょう!
私が当てたくらいだから、今回の事件は比較的簡単な方に分類されるのかな、と思っています。
そう、今回のお話では、事件の伏線よりも別の「何か」を描くのに多くのコマが割り当てられていた回だったと思うのです。
その「何か」とは、ロンの新しい「個性」ですね。
この「個性」ここで初めて登場かと思いきや、実はずーーっと前に伏線が張ってあります。
記念すべき連載第1話、その冒頭のカラーページを見てみましょう。この中のどこかに伏線があります!
初回から、目立たない感じですが、ちゃんとロンの個性の一つとして登場してたんですね!
連載が続いてくれたおかげで無事回収されました。
6.『高原オーベルジュ連続殺人事件』
(あらすじ)
ロンの元に17年前の食事の招待状が届く。
興味を抱いたロンは都々丸と共に山奥にあるオーベルジュ「リユニオン」へ向かう。
集った客たちとディナーを共にするロン達だが、何故かコースが進むにつれ、客たちは動揺を深めていく。
そして翌朝、不審な物音がした客室の前には、なぜか昨夜のコースメニュー表が貼ってあり、中には前菜のサラダ同様に花で飾られた遺体が発見される。
電話がつながらず陸の孤島と化したリユニオンでロンたちは捜査を開始する。
しかし、客たちの証言から、ロンにまつわる驚きの事実が明らかになっていく……
第38話~第45話、第38話は単行本5巻、第39話~45話は単行本6巻に収録
(感想)
この事件は本当にいろいろ盛りだくさんでした。
殺人事件の謎自体も複雑なのに、それに加えてロン謎まで追加されるんです。
そんないろんなことが気になって仕方ない中でコメント欄を「熱い!」と賑わせていたのが都々丸の成長です。
都々丸といえば、最初は学芸会の子ども張りに推理をつっかえながら説明するのが精いっぱいだったはずなのに……
彼は今回の事件で「犯人は僕が捕まえる!」とついに宣言します。
最近は刑事としての貫禄もついてきていた都々丸ですが、さすがにここまで言い切るほどの成長を遂げているとは思いませんでした。
しかも、こう宣言した理由が、自分に自信がついたから、という理由ではなく、「友人であるロンのため」であることが、また都々丸らしい……!
都々丸には解決編でも真犯人相手に大見得を切るなど見せ場がたくさんありました。
成長した都々丸の姿を雨宮に見せてやりたかった……!
ちなみに、この回はシュピッツもちょっとだけ登場します。
シュピッツはほんと、美味しいところ持っていきますね……!
彼を推している方も、ワクワクしながら読んでみてください。
7.『占いプリンス殺人事件』
(あらすじ)
SNSや動画で「よく当たる」と評判の占い師「占いプリンス」。
傷心のシュピッツも彼にハマっており、話を聞いて興味を持ったロンは都々丸と一緒にサイン会についていく。
しかし、サイン会会場で死体が発見されてしまう。
死因は絞殺で、現場から凶器は消えていた。
ロンは早々に容疑者を特定するが証拠が見つからない。
そこでロン達は驚きの方法で犯人を追いつめることにする。
第46話~第48話、単行本6巻に収録
(感想)
このお話は、犯人が最初にわかっている『刑事コロンボ』パターンの構成になっていました。
読者は犯人を知っているので、この事件の最大の謎は「犯人が隠した凶器がどこにいったのか?」でした。
「ははーん、あそこだな」(にやり)と解決編の前は思っていましたが、結果、全然違いました!
そう簡単な謎ではなかったので、挑戦してみてください。
ヒントは「爆アゲ占いに注目」です。
もし、犯人が最後まで爆アゲ占いを貫いていたら……もしかしたら迷宮入りもあり得たかもしれません。
さらにロン達の犯人の追い詰め方も斬新でした。
推理中から犯人との何気ないやりとりは刑事コロンボにも負けないハラハラ感がありましたが、解決編はイマドキっぽさもプラスして、鴨ロンならではの面白さが出ていたと思います!
8.『風船生首殺害事件』
(あらすじ)
ショッピングモールの屋上で不思議な事件が起きる。
風船の中に人の生首が紛れこみ、一瞬の間にまた消えてしまったというのだ。
果たしてこれは目の錯覚か、それとも殺人事件なのか?
その日、たまたまショッピングモールで休日を過ごしていた都々丸と雨宮のコンビが捜査に乗り出す。
第49話、50話、単行本7巻に収録
(感想)
何とも不思議で不気味な事件でした。
どう考えても、生首が一瞬で現れて消える、なんてことが起きる理屈がさっぱりでした^^;
しかし、解決編を読むと「なるほど!そういうことか!」と超納得でした。確かにそれくらいしか理屈通らないよね……でも、これに気づく人は本当にすごいと思えるトリックです。
今回、この難事件を解くのはロン……と雨宮です。
彼女、めちゃくちゃ優秀です。ロンのヒントがあったとはいえ、この不思議な事件の真相を見抜くとは。
それに加えて都々丸へのツンと、ロンへのデレの切り替えが見事で、ここまで素直に態度にでると面白……いっそ可愛らしいほどでした。
ロンのススメなら真冬の屋外でもアイスを食べる女、それが雨宮です。
9.『「双子の牢」密室殺人事件』
(あらすじ)
ロンが都々丸を誘って訪れた先には密室殺人事件が待っていた。
死体が発見されたのは山中にある「月の牢」と呼ばれる建物の中。死体は死後数年が経過しており、しかもその間、建物の中には誰も出入りできなかったことがわかっている。しかも、10年前、イギリスにあるそっくりの建物「太陽の牢」でも密室殺人事件が起きており未解決のままだという。
不謹慎だが謎の魅力に惹かれてやってきたロン達。
そこに捜査の指揮を執るためやってきたのはBLUE密室学の教授であり名探偵のフィン・フェネックだった。
第51話~第57話、単行本7巻に収録
(感想)
2つのそっくり同じ建物を舞台にした2つの密室殺人事件。ミステリ好きなら設定を聞いただけで興味のわきあがるシチュエーションです!
さらに、今回はトリックも作品トップの難しさ。コミックスの帯にもコメントを寄せていた本格ミステリ小説の大家、有栖川有栖先生の作品にでてきておかしくない、すごいネタでした。
今回はトリックも本格的で、謎を解けた読者はたぶんいないんじゃないかな……!?
それだけでも面白かったんですが、今回は新キャラの登場回でもあります。
フィン・フェネック。
小柄で可愛らしい少女のような見かけでありながら、世界有数の名探偵の一人であり、BLUEで密室学の教鞭をとる先生でもあります。その肩書に恥じぬ鮮やかな活躍をみせつけてくれます。
話はロンとの推理合戦の様相を呈していくのですが……なんと、ロン、BLUEにいたころはフィン先生には手も足もでなかったのだとか!
時がたち、「天才 VS 天才」の戦いの結果がどうでるのか、毎週ワクワク読んでいました。
フィン先生は推理力でもお話を盛り上げてくれましたが、その性格も独特な魅力をかもしだしていました。表情を崩さず、自他ともに厳しく、「厳格」という言葉がこれほど似合う人もいない、という第一印象でしたが、そこから意外にファザコン?な一面だったり、体調を崩した人を気遣うそぶりを見せたり……
知れば知るほど人間らしい一面を見せてくれる人物で読むたびに好感がアップしていきました。
今後も登場してくれるのか分かりませんが、また会いたいなと思わせる女性です。
謎多きフィン先生でしたが、一番の謎は「何歳なの?」だと思います。登場人物紹介のページにおまけでフィン先生の年齢を推測してますので、気になる方は一緒に考えてみましょう!
10.『消えた白菜事件』
(あらすじ)
冒頭から翡翠、チコリ、雨宮、もふ、ロン、都々丸と、主要キャラのアップのコマが続く。メンツを見るだけでも「おお! 豪華!」と胸が弾むが、彼らの表情が気になる。みな真剣な眼差しでセリフもなにやら思わせぶり。
「なにかとんでもない事件が起きたのでは……?」
期待と緊張が高まる中、時間は数時間前にさかのぼり、皆の頭を悩ませる”とある事件”の発覚が描かれる。
第58、59話、第58話は単行本7巻、第59話は単行本8巻に収録
(感想)
鴨ロンで初めての「日常会」でした。
これまで、ロンと都々丸が出会ってきたキャラクター達が勢ぞろいします。
雨宮、翡翠、もふ先生、チコリ、シュピッツ。
揃ったメンツをみるだけで期待が高まります!
そしてわいわいと賑やかに何やら皆で共同作業を始めるのですが……よく考えれば、このメンツが一堂に会するのは実は初めて。直接顔を合わせたことがあるのは雨宮と翡翠くらいではないでしょうか?
さて、この個性的なメンバーが集まって、一体どんな会話が繰り広げられるのか……
チコリは個人的に収集していた都々丸の周辺情報を披露し、
もふ先生はドジを超えたドジを見せ、
雨宮は翡翠の言うことすべてにからみ……と
存分に各々の個性を発揮していました。楽しそう……
前半はそんな感じでしたが、後半はちょっとした推理合戦が繰り広げられます。これがまた個性をちゃんと反映してて楽しい上に、ちゃんと推理としての成立してるものもあって……推理×日常でここまで話を膨らませられるものなんだと驚きです。
作風は初期のころの『家庭教師ヒットマンREBORN!!』にちょっと似ています。シリアスもいいですが、こういう日常会もたまにはいいですね、また読みたい、というか仲間に入れてほしい。
11.見えない血文字殺人事件
(あらすじ)
雨宮が所属する弓道場へとやってきたロンと都々丸。雨宮の凛々しい姿や他の生徒の練習を見学していると、騒々しく一人の青年が乱入してくる。青年の名前は野良鯖虎。弓道場のある十一味町限定で活躍する自称探偵である。しかし彼は探偵と言いつつ、トンデモ推理ばかりで町の人からは呆れた目を向けられていた。
その翌朝、弓道場で死体が発見される。現場にかけつけたロンと都々丸。そして同じく、探偵として野良鯖虎も駆けつけるのだが……彼のトンデモは推理だけではなかった。
第60~第62話、単行本8巻に収録
(感想)
前回の『消えた白菜事件』から一転、再び本格派な事件が発生しました。とはいえ、解決編の犯人当ての推理は言葉遊びのようなあっさりとしたもので拍子抜けしていたのです、が。
その後にはまだ驚きの真相が隠れていました。この事件はなぜ起きたのか? 「犯人の動機」にひねりがあって読み終わりは大満足でした。
そして、今回の魅力は一ひねりある事件だけでなく、初登場の野良鯖虎にもあります!
生意気な表情に威勢のいい下町言葉、そして「それどこで売ってたの?」な個性的過ぎる帽子をかぶった青年です。キャラデザだけで「こいつはすごいかすごくないか、極端なキャラだろうな」とわかる自称・名探偵です。この鯖虎くんが「探偵として優秀なのか」という謎(?)も気になって続きを楽しみに読んでいました。
鯖虎くんは今回のゲストキャラではなく、今後も継続して登場しそうな雰囲気です。
ロンにも気に入られたようだし、彼自身の設定もまだまだ奥がありそうなので再登場が待ち遠しいです。
12.硬貨と刻印殺人事件
(あらすじ)
都々丸は連続殺人事件の捜査に追われていた。しかもただの連続殺人ではない。下腹部に数字の切り傷、そして遺体内部に毎回違う国の硬貨。猟奇殺人を思わせる遺体の状態で、すでに3件も犯行が行われていた。
被害者の共通点も見つかっておらず捜査は難航……そこにBLUEから助っ人がやってくる。その人物はBLUEの曲者教官であるDr.ヒルシュ、かつてロンを殺そうとしたことのある男だった。
第63~第67話、単行本8巻に収録
(感想)
BLUEに潜むM家の内通者は誰か!? 『高原オーベルジュ連続殺人事件』以来、折に触れて内通者探しに触れられてきましたが、ここにきて最有力候補ともいえる存在が本格登場しました。
Dr.ヒルシュ! とにかくキャラデザだけでも見てほしい、怪しすぎます。。。
そして見た目だけじゃなく、その言動のぶっ飛び度もすごいんです。初対面の相手に「お前が不審死したら俺が解剖してやる」というのが挨拶代わりの変人さんです。
このDr.ヒルシュが「敵か、それとも味方か?」がお話の焦点になるのですが……
怪しすぎて、逆にいい人に見える(笑)
コメント欄にも似たような意見が飛び交っていましたが、Dr.ヒルシュ、噛めば噛むほど人間らしさや彼なりの信念が見えてきて、私はけっこうお気に入りのキャラクターになりました。
ロンとの舌戦や推理合戦も読み応えがあり、満足度の高いエピソードでした。
いかがでしたでしょうか?
どんどん更新していきますのでまた覗きに来てくださいね。
『鴨ロン』のあらすじと感想パート1、パート3はこちらの記事をどうぞ↓
『鴨ロン』の詳しい登場人物紹介はこちらの記事をどうぞ↓
“イケメンだけど超変人な名探偵が主人公『鴨乃橋ロンの禁断推理』あらすじ紹介パート2” に対して4件のコメントがあります。