読書感想|あなたの上司は大丈夫ですか?(悪いヤツほど出世する、ジェフリー・フェファー)

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今回ご紹介するのはこちら↓

悪いヤツほど出世する ジェフリー・フェファー 日本経済新聞社

会社員勤めをしたことのある人なら、少なからず気になるタイトルしてますよね。

私はタイトルを見たときに、真っ先に半沢直樹の大和田常務を思い出しました^^;

この本の中身はリーダーシップ論、それも従来までの理想的なリーダーの在り方ではなく、

真逆と言ってもいいリーダー像にスポットライトを当てています。

身近な上司を一人、思い浮かべてみてください。

その人はどんな人ですか?

あなたの相談や悩みを聞いてくれますか?

間違った指示を出したときに謝罪してくれますか?

リーダーシップ論では、部下には真摯に、優しくせよ、と教えているのではないでしょうか。

しかし……現実に上司に恵まれていると感じている人は少数だと思います。

どちらかというと不満を抱えている人の方が多いのではないでしょうか。

何故、リーダーシップ論でこれだけリーダーの理想像が語られているのに、

現実には理想の上司が少ないのでしょうか。

そして、現実の上司に対応していくためには、どうしたらいいのでしょうか。

この本の主旨は以上2点です。

それでは、本の内容と著者のご紹介をしていきますね。

目次
1.おおまかな内容
2.著者は何者なのか?


1.おおまかな内容

企業研修でも人気のあるテーマである「リーダーシップ論」。

これまで、リーダーはかくあるべき、という数多くの理想像が語られてきました。

例えば、リーダーは間違いを犯したとき、明らかにし謝罪し改めるべきだ、とか

リーダーは謙虚であるべきだ、といったものです。

リーダーとなる人は、清廉高潔な人物であるべきだ、ということが

今までは信じられてきました。

が、本書ではその常識を覆します。

果たして、現実にリーダーとなっている人物に、これまで理想とされてきた

リーダーシップ論にでてくるような高潔な人物がいたでしょうか?

本書ではそもそも、そこから考えるように促します。

著名なリーダーを挙げてみても、人物の評判はあまり良くない、

はっきり言ってしまえば ”悪い” 評判が付きまとってはいませんか?

そう、悪評がたつほどの人物でも立派に出世し、リーダーとなっているのです。

リーダーシップ論が語る理想と、現実のリーダーの間には乖離があると

本書は指摘します。

にもかかわらず、部下たちは理想的なリーダーとなるべく、

従来までのリーダーシップ論を信じ、自分が上司の立場になっても

その理想像であろうとした結果、ポストから追いやられるといった残念な結果を

招いてしまいます。

また、部下の立場で言えば、上司に真摯な態度を求め、結果裏切られ

社内で不利益な立場に追いやられたりしてしまうわけです。

では、部下の立場で、上司の立場で、どう振舞うべきかを考察し、

本書は結んでいます。

2.著者は何者なのか?

これまでの理想論を覆す刺激的な内容の本書ですが、

著者:ジェフリー・フェファーは何者なのでしょうか?

肩書はスタンフォード大学ビジネススクール教授、1979年からのキャリアです。

スタンフォード大学ビジネススクールと言えば世界最高峰のビジネススクールですよね。

他にもハーバード大学ビジネススクールやロンドン・ビジネススクールでも客員教授を

勤めたことがあります。

専門は組織行動学。

今回ご紹介したリーダーシップ論の他に、

職場環境が健康と幸福感に及ぼす影響や、認知と行動のギャップなども

研究対象です。

これまでに共著も含め、15冊の本を出版しています。

スタンフォード大学のHPには他にもまだまだ、輝かしい経歴が披露されています。

とにかくもう、すごい人なんだな、ということがお分かりいただければ十分です。

もっと詳しく知りたい方は「Stanford Graduate School of Business 」で検索し、

Faculty & Research から Faculty に入り、”P” の項目から探してください。

初老のメガネをかけた著者近影と経歴詳細が見られます。

世界40か国でセミナーを開催しているらしいので、そのうち来日する機会も

あるかもしれませんね。

ただ、著者曰く、自分のセミナーは内容は刺激的で面白いが期待とは違ったと

文句を言われることも多いのだとか……

これまでのリーダーシップ論とは一線を画す研究結果なだけに、

なんだか頷けますね。


いかがでしたでしょうか?

本書を読んで一つ、疑問に思ったのは、いわゆる「金魚のフン」みたいな

中間管理職はどう分析されるのかな?ということですね。

上にはへつらい、下には厳しく、前に同じ職場にいた上司にこういうタイプの

人がいました。

どんな悪評がつきまとうリーダーでも、本書で紹介されているのは

そもそもが実力を持った人たちが対象となっている印象です。

対して金魚のフンタイプの人は世渡は上手なので、

ある程度は出世されてましたが、今はどうなってるのか…

私の方が先に職場を去ってしまったので確かめようもないんですけどね。

日本の労働環境ならではの疑問かもしれません。

それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました!

よろしければ感想など、コメントに残していってくださいね。

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