そういうお年頃
小説風育児日誌です、どうぞ!
今週は実家の母が遊びに来ている。息子にとってはいつも優しいおばあちゃんである。毎回来ると「おばあちゃんおばあちゃん」と大変な懐きようである。
今朝も起きてくるなり「おばあちゃんを起こしてくる!」と朝の6時から遊べ遊べ、甘えさせろと大騒ぎであった。
そんな中、何を思ったのか、急に息子がおばあちゃんのことを「おばちゃん」と呼び出した。
最初は純粋な言い間違えだったのかもしれないが、皆が「おばちゃんじゃんくておばあちゃんでしょ」といちいち訂正してくるので、面白くなって「おばちゃんおばちゃん」と連呼していた。
「もう、おばちゃんって呼ぶのはやめなさい!」
呆れた調子でそう注意しても、どこ吹く風であった。
そろそろちょっと叱った方がいいのかもしれない、と思った時、救いの一言が舞い降りた。
「おばちゃんって呼ばれると……なんだか若返ったみたいで嬉しいわねえ」
おばあちゃんの実感のこもった声だった。
御年65歳の祖母にとっては、おばちゃんと呼ばれるのは若返ったことになるらしい。
「なるほど、逆にね」
妙に納得した私は息子のおばちゃん呼びを放っておくことにした。
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