お姫様になりたい その1
小説風育児日誌です、どうぞ!↓
小さい女児がお姫様に憧れるのは普通のことである。砂場に行く時ですらピンクのフリフリの服を着る、それが女子だ。しかし、男児の中にもお姫様への変身願望がある子が一定数いるらしいことはあまり知られていない。3歳のうちの息子もその一定数の中の一人だ。
最近、幼稚園から帰って着替えさせようとすると「お姫様になりたい」と言い出すことがある。お姫様ってなんだ? プリキュアみたいのか? 母の女子力のなさのせいで、息子は適当に母のスカートをはかされることになる。
お姫様、というリクエストなので、色はピンクが良いか、といつも適当にピンク色のスカートをはかせるのだが、たまには違う色がよかろうと、緑色のひらひらしたスカートを選んでみた。もちろん独身のころのものだ。
「はい、今日は緑色のスカートだよ!」 息子にはかせると、何度かその場でひらひら~と裾をもってお姫様っぽいポーズをとっている。気に入ったのかな? そう思っていると、
「緑色は王子様の色だよ」 そう言って「ピンクの持ってきて」とぽいっとはいていたスカートを脱いでしまった。 緑色は王子様なのか、知らなかったよ。 わたしは息子なりの世界観を垣間見た。
明日につづきます。