いい感じに生意気
小説風育児日誌です、どうぞ!↓
息子はストライダーが好きでよく公園で乗り回している。そのうち、子供が集う遊び場にもストライダーで行くと言い出した。危険ではあるが、あまりスピードを出さないこと、しっかり周りを見ること、などを約束に許可することにしている。
しかし、子供のことなので、走り出すと約束のことなど頭からすっぽり抜けてしまう。だから親は子供がストライダーで華麗に走る横を、小走りする羽目になる。ストライダー厄介なことに、かなりのスピードが出るのだ。
今日も息子に付き合って遊び場に行く。息子の足はストライダーだ。帰り道に、またも約束を頭から追い出して、道に止めてある車に夢中になっていた。 「ほら、ちゃんと前をみなさい」 声を掛けるとしぶしぶ、といった感じで前を向く。 「よそ見ばかりしてると、碌な目に遭わないわよ」 そんな風に警告した。すると、息子は急にストライダーを漕いでいた足を止め、私の顔をみた。その顔は、口を縦長に大きく開け、目を細め、眉を寄せていた。要は、とんでもなく人を小馬鹿にした表情だった。
「碌な目にあわないもーん」
そう言い捨てて、息子はまた快調にストライダーを漕ぎだした。一瞬、ぽかん、としてしまったが、私も慌てて後を追い、「この野郎!」と体をこちょこちょしておいた。
親に口答えできるようになったか……生意気になったものだ、とちょっと嬉しく思った。しかし、きっと碌な目に、の碌なの意味はわかっていまい、とも思った。
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