誰も知らない名画の見方

高階秀爾(たかしなひでじ)著作の小学館から出版された新書本です。

一時期(もう8年くらい前の話ですが)、西洋絵画にかなりはまりまして、いろいろと書籍を読んで勉強しておりました。西洋絵画と言うと、主題の多くに聖書、神話を含みますので、ただ「きれいな絵だなあ」と眺める分には問題はないのですが「これは何を描いた絵なんだろう?」と疑問に思ったら、自分で知識を深めていくしかありません。

聖書、神話関連の書籍を読み、大体の絵画が、どの場面を描いたものか分かるようになってきた、その次の段階辺りで手に取った本だったと思います。

本書には、西洋絵画の巨匠の作品をモチーフに、絵画の様々な見方について解説を加えていきます。例えば、写実画、と言えば言葉の通り、見た通りに正確に描く、ということだとはなんとなくわかりますが、写実的に描くその描き方には画家の個性があるのです。フェルメールの代表作である「真珠の耳飾りの少女」の絵には生きている人間に劣らず、活き活きとした目をした少女がじっとこちらを見詰めているような、どきりとした美しさを感じさせる絵です。しかし、少女の活き活きとした目の真髄はどこにあるのでしょうか?本書の冒頭の解題がそれだったはずですので、本書をお読みになるか、実際に眺めてみて答えを探してみて下さい。そこには、画家が何枚もの習作を経て辿り着いたであろう、ささやかな、しかし大いなる技巧が凝らされています。

他にも、同じ画家でも年代によって画風が変わったり、色彩の使い方の個性だったり、テーマやモデルの決め方だったりと、西洋絵画の奥深さが語られています。

ちなみに、内容も大変面白いのですが、文章も上手な方で、起承転結の形をきっちりと守り、分かりやすいすっきりとした文体で、記事を書く方には読むだけでも勉強になりそうな本でした。

冒頭に聖書や神話を勉強した後に読んだ…と書いていますが、西洋絵画に興味のある方はいきなり本書を手に取ってみても充分分かりやすく書かれていますし、画家ごとに記事が分かれていますので、好きな画家を探すのにもいいかもしれません。西洋絵画も他の芸術同様に、お気に入りの画家なり作品なりを見つけてしまうことが、理解を深めていく第一歩になると思います。

本書以外にも芸術関係の本は読むだけならわんさと読んだので、また別の本を読みましたらアップしたいと思います。

読んでくださってありがとうございました!

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