ループする会話
小説風育児日誌、第二弾です。それではどうぞ!↓
息子が幼稚園から帰ってきたら、今日は何をして遊んだのか、いろいろと質問してみることにしている。大体、夕飯の時間に聞くことが多い。
「今日はなにしてあそんだの?」 「うーん、誕生日会!」 「へえ! 楽しそうねえ、誕生日会は何をするの?」 「うーん、リンゴジュース!」 おそらく、お祝いにみんなでリンゴジュースを飲んだということだろう。3歳児との会話は、こちらが可能な限り推測しないと、成立しないことが多い。息子はわたしがしばし考え込んだのも気にせず、ほじほじとご飯を食べている。もう先ほどまでの会話はどうでもいいと思っているらしい。わたしは負けじと会話を続けることにした。 「同じクラスにお誕生日の子はいた?」 「はるくん!」 「返事が早いね! はるくん仲良いの?」 「うん、遊んだの」 息子に友達らしきものができつつあるらしい! 感動である。感動した気持ちを引きずりながらわたしは質問をした。 「はるくん、喜んでた?」 「うーん……」 わたしは息子からの「うん!」をワクワクして待っていた。 「りんごジュース!」 ……これはどういうことであろうか? はるくんがリンゴジュースを喜んでいたということだろうか? たぶん違うのだ。はるくんではなく、自分が喜んだことについて、また話しているらしい。
3歳児との会話はこんな風に、よくループに陥る時が多い。質問の仕方が悪いのか、子供の思考や記憶の再起する範囲が狭いせいなのか。きっと一生わかる日はない。会話が成立する日まで、根気強く聞き続けるしかないのである。
読んでくださってありがとうございました!