宇宙兄弟 #21

前巻の最後に立ち込めた暗雲に立ち向かうムッタの様子が描かれます。いつも通り構成やキャラクターを見ていきたいと思います。

注意!! この後はネタバレを含みますので、嫌な方はブラウザバックをお願い致します。

ムッタに訪れた試練、それは次回の月へ向かうメンバーに違うチームが指名されてしまったということです。じゃあ次の機会を待てばいいじゃない……と思っても、ムッタには次の月へのミッションに任命されなければならない理由がありました。シャロン展望台を完成させるミッションがあるからです。絶対に次に月に行かなければならないムッタの事情が、ストーリー全体のテンションを高めるということが読者に伝わって、それから大きく物語が動きます。

プロットポイント1 → ジョーカーズ(ムッタが所属するチーム名)が月のミッションを取り戻すことを決意                              ピンチポイント1 → ジョーカーズにミッションを変える代りにISSの廃止署名を集めてくるように言われる                             ミッドポイント → ピコに相談し、使えるものや人はどんどん使えと周りに頼ることを教えられるムッタ                                ピンチポイント → ISS存続の署名を集めることにしたムッタ          プロットポイント2 → どのチームを任命するか、会議が始まる

ざっとこんな感じかと思います。2回目のピンチポイントはちょっと自信がありません。ピンチはピンチなのですが、月へ行けるかどうかに関わってはきますが、どちらかというとヒロインであるせりかに署名運動のことを疑われるという個人的なピンチの意味が強い気がするからです。かといって他にはぐっと緊張感がますところもなかったので……

構成をみると、次巻の冒頭からこの物語のクライマックスで始まることになるので、コミックスの終わりとしては最高のひきで終わっています。

この月へ向かうチームを争うストーリーには、宇宙兄弟には珍しくしっかりとした悪役、ゲイツが存在します。ヒビトのパニック障害の時にもちらりちらりと悪役で登場していたのですが、人間が集団を形成する限り、必ず現れる超保守派・事なかれ主義を具現化したような人です。この巻ではしっかりと悪役としての仕事を果たしますが、ここはNASA,人類の最先端の夢が集う組織です。悪役がそんなみみっちいまま終わるわけありません! 次巻ではゲイツの過去、そして驚きの変化がみられるはずですので、読んだらまた感想を書きたいと思います。

読んでくださってありがとうございました!

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