心理試験

あおぞら文庫に江戸川乱歩というビッグネームが掲載開始になって約3年、ファンが多いせいかあっという間に作品数も増えました。その中で、明智小五郎もちらりと出てくる短編を読んでみました。

注意!! この後はネタバレを含みますので、嫌な方はブラウザバックをお願い致します。

まずは簡単なあらすじですが、男子大学生がある老婆のため込んでいる金に目を付け、どうやったら罪に問われず奪うことができるか、考えに考えた末、老婆を殺害してしまえば金が奪われたことはわかるまい、と思いつき、実行してしまいます。完全犯罪になるかと思いきや、彼の存在は容疑者として浮上、犯人か否か、心理試験にかけられることになってしまいます。ここでも考えに考えた末、彼は心理試験を突破する方策を思いつきます。これで無罪放免……と思いきや、名探偵明智小五郎が登場してどんでん返し……。

スマホの小さい画面で読んでも100ページほどしかなく、特にトリックもないので、すぐに読めてしまいます。ミステリとしては物足りないでしょう。

しかし、文豪江戸川乱歩の筆による犯人の心理描写には、実際の犯人だったらどう考えるだろうか? ……自分だったら?と考えさせる、真に迫るものがあります。

江戸川乱歩は人間の暗部を拡大拡張し、それだけをテーマに数々の名作を生み出した人で、タイトルの作品はとってもライトな心理描写です。有名な人間椅子や屋根裏の散歩者など、江戸川乱歩の世界にどっぷり浸かれる作品があおぞら文庫にはたくさんありますので、ぜひのぞいてみてください。すべての作品が無料です、神ですね。

読んでくださってありがとうございました!

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