ついにラスボスとの戦い……が、それはあくまで前座です『わたしの幸せな結婚6』読書感想
こんにちは、活字中毒の元ライター、asanosatonokoです。
今回ご紹介する本はこちら
わたしの幸せな結婚6 顎木あくみ 富士見L文庫
和製シンデレラストーリーとして大人気のシリーズ、もう6巻目になりました。
毎巻、ヒロインの美世とその婚約者の清霞が少しずつ距離を縮めていく姿にもだえてきました。
が、今回はすごい。
過去最高にすごい。
濃厚なチョコレートケーキにチョコレートソースをぶっかけたレベルの極上の甘さデシタ。
読んでるこっちが恥ずかしくなる(笑)
それでは、あらすじと感想をまじえながらご紹介していきましょう。
1.前巻からの続き
この記事は『わたしの幸せな結婚』シリーズ6作目のご紹介ですが、6作目は5作目から話の内容がガッツリつづいております。
これまでも、シリーズを通して美世と清霞のラブストーリーが続いてはいたのですが、基本は1巻で事件の一部始終が完結する読み切りの作品でした。
が、6作目は5作目に起きた大事件の後から始まっています。
5作目を知らなくても、大体何が起きたかはわかるように書いてくれていますが、やはり5作目を先に読んでおいた方がより楽しめると思います。
ここに、簡単に5作目で何が起きたかをまとめてはおきます(正直うろ覚えですが…)
まず、5作目で敵役として本格的に登場したのが甘水直(うすいなおし)という男です。彼は美世の母親・澄美のことが大好きでしたが、澄美は家の建て直しのために政略結婚をしてしまい、さらに彼女は嫁ぎ先で虐めにあい若くして亡くなってしまいます。
絶望に身を落とした甘水は家を呪い、世の中を呪い、闇落ちします。
甘水は長い時間をかけて準備を整え、5巻でついに国家転覆のテロを仕掛けます。時の天皇をとらえ、国の軍部を掌握してしまいました。
甘水の欲望はそれだけにとどまりません。いまだに澄美のことが忘れられない甘水は、澄美に瓜二つの容貌を受け継いだ美世をも手に入れようと、一番の邪魔ものである婚約者の清霞を社会的に抹殺しようと企みます。
そのために美世の従兄弟である薄刃新(うすばあらた)を自陣に引きこみ、新に美世を裏切らせます。
前巻の最後で清霞は無実の罪で美世の目の前で逮捕され、2人は引き裂かれてしまいました。
引き裂かれる直前、清霞は美世への愛を告げます。しかし、臆病で自分の感情に自信を持てていなかった美世はその思いにすぐに応えることができず、深く、ふかーく後悔してしまう……
そんなところで終わっていました。
2.簡単なあらすじ
そして6巻、今回のメインの物語の簡単なあらすじをご紹介しましょう。
始まりは美世が甘水に掌握された軍本部の前までやってきたところから始まります。
たった一人で、美世が敵陣に何をしに来たかというと、もちろん、愛する清霞を助けに来たわけです。
清霞の告白に応えられなかった美世の後悔は深く、清霞にもう一度会うために何かをしなければ、と彼女は突き動かされるように無謀な行動をとろうとしていました。
そしていよいよ、本陣へ……!
というタイミングに美世の前に現れたのが一人の少年。
整った顔立ちに、色素の薄い肌と髪。口を開けばぶっきらぼうで、でも美世のことを本当に心配しているのは伝わってきて……
そう、少年は清霞にそっくりなんです。
そっくりというか、ミニバージョンのようです。
少年は清霞の式(清霞の能力で作った操り人形のようなもの)だと言い、美世の無謀な行動を止めます。冷静な清霞の式の言動に美世も作戦を練る必要に気づき、母の実家である薄刃家の祖父を頼ることを思いつきます。
そこで祖先の遺した手記などをみるうちに、美世の中で眠っていた異能が強まっていき……
と、美世は着実に清霞奪還への道を自分の手で組み立てていくのです。
いやあ、逞しくなったなあと思います。
和製シンデレラと評されるだけあって、これまでは継母、異母妹からの虐めや、姑からの意地悪などシンデレラを彷彿とさせるネタが多かったのですが、今回は囚われの王子様を助けに行く勇ましいお姫様に大変身しました。
これまでのか弱くも心根が優しい美世も好きでしたが、芯の強さが前面に出た彼女もまた魅力的だなと思います。
成長して凛々しくなった美世にも注目です。
3.甘すぎ注意報発令
前作、そして今作のあらすじを振り返ってきましたが、今回は甘水直という敵ボスとの対決が待ち受けています。
美世は清霞を無事取り戻せるのか?
目覚めたばかりの力で甘水を倒せるのか?
裏切った従兄弟の薄刃新の運命は?
いろいろと緊張感あふれる展開が続きます。
が、しかし!
ここで申し上げておきたいのは、これらの展開は本作のメインではない、ということです。
敵ボスとの戦いなんか前座です。それ以上にシリーズファン待望の展開が用意されています。
具体的に何が起きるのか、言いたいけど言いません!
ネタバレになるというのもありますが、私が何の事前知識もなく読み進めていった時に、「美世の口からこんな単語が飛び出すまでになったか!」と新鮮な驚きを感じたからです。
思えば美世が清霞に初めて出会った時、2人で過ごす時間は甘さのかけらもない状態でした。美世は清霞の言動にびくついてばかりで、絶えず緊張していたと思います。
それなのに……6作目ともなれば変わるもんですね(笑)1作目だけ読んで、久しぶりに最新刊読んでみようかな、って人がもしいたらさぞかし「何が起こったんだ!?」とのけぞるに違いありません。
私の感じた驚きを皆さんにも味わってみてほしいなと思います。
とりあえず、ラストに近づくにつれ、甘すぎ注意報発令中です。ニヤつく癖のある方は外では読まない方がいいかもしれません(笑)
いかがでしたでしょうか?
次の巻で、やっと2人は人生の伴侶となるスタートラインに立ちそうです。やっと「結婚」のタイトルを回収できますね(笑)
今回はその前にラスボスを倒し、2人の絆も確かめ合ってと、シリーズ中でも必読だったと思います。ぜひ、ファンの方はもちろん、1冊目しか読んでない、という方にも手に取ってみてほしいなと思います。
それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました。
よろしければ感想など、コメントに残していってくださいね。
『わたしの幸せな結婚』シリーズ1作目のあらすじと感想はこちらの記事をどうぞ↓