美しき聖書をモチーフにした絵画の世界を堪能できます『アートバイブル』読書感想

元ライターが作家目線で読書する当ブログへようこそ!

今回ご紹介する本はこちら↓

アートバイブル  日本聖書協会

皆さんは絵画はお好きでしょうか?

私の趣味の一つが美術館巡りで、特に気品と美しさあふれる

西洋画が大好きです。

しかしこの西洋画、見ると美しいことはわかるんですが

「何が描いてあるのかわからん」ってこと、ないですか?

実はそれも当然。

西洋画は多くの日本人にはなじみの薄い

聖書、もしくはギリシア神話をモチーフにしているからなんです。

元の物語をよく知らずに、どの場面が描かれているかわかるわけがない、

というのが日本人と西洋画の間に横たわる大きな溝になっています。

『アートバイブル』は、そんな溝を埋めるべく、

聖書の各場面の文章と、それをモチーフにした絵画をマッチングして

一緒に掲載してくれているありがたい1冊です。

本屋で一目ぼれして10年以上経ちますが、

いまだに時折開いては「ああ、きれいな絵っていいなあ」と

癒されています。

西洋画に興味のある方はぜひ、一度は手に取ってみてほしい本です。

その内容とおススメポイントをご紹介していきましょう。

目次   1.おすすめポイントその1:数々の絵が美しい!
     2.おすすめポイントその2:聖書のどの場面かすぐわかる!
     3.おすすめポイントその3:言葉の意味が分かる !
     4.おすすめポイントその4:同じテーマの作品が並んでいる


1.おすすめポイントその1:数々の絵が美しい!

なんといっても1番は、本書は ”美しい” ことにあります。

数々の名画が掲載されているのですが、オールカラーです。

すべての絵画が本物の絵の持つ美麗な色のまま、楽しむことが出来ます。

絵は実物を見るに越したことはないのですが、

日本にやってくる海外の美術作品の展示会は必ずと言っていいほど、

激混みです。

一つ一つの絵をじっくりと見ることはほぼ不可能。

加えて、防犯や汚れるのを防ぐために、

絵画に至近距離まで近づくことはできません。

海外の美術館だと本物の絵の前で模写する学生さんとかがいて、

その点けっこう自由だったりするんですが、日本ではそうはいかないようです。

しかし本で見るならいくら近寄っても、もちろん大丈夫(笑)

思う存分、隅々まで美しさを堪能できます。

ちなみに、『アートバイブル』に掲載されている作家人数、146人。

掲載されている作品数、325作品。

そしてお値段、3,300円。

1つの展覧会で見ることのできる作品数と作家人数、

そして入館料を考えると、『アートバイブル』のすごさがわかるかと思います。

見ることのできる作品数、作家数が豊富なところも良いところです。

2.おすすめポイントその2:聖書のどの場面かすぐわかる!

多くの西洋画がモチーフとして使用している聖書ですが、

読んだことはありますか?

我が家にはフェデリコ・バルバロ翻訳の聖書がありますが、

辞書のようなうっすい紙にびっしりと文字を詰め込んで

それが全部で2100ページ。

読もうと決めると、1年かかるようなボリュームです。

ちなみにバルバロ聖書は1冊8,250円。

西洋画に詳しくなりたいからと言って、聖書を読もうとするのは

かなり時間もお金もかかってしまうんです。

しかも、実際に絵画に使用される聖書の場面はかなり決まっていて、

西洋画のために聖書を読むとするなら、

ほとんどの文章は読まなくてもいいことになってしまいます。

でも、よく知らない人にはどの場面こそ読むべきなのかもわかりませんよね。

西洋画のために効率よく、聖書の該当場面だけを読みたい!

そんな声に応えてくれるのが『アートバイブル』です。

絵画のモチーフとなっている聖書の文章を抜粋し、

絵画と一緒に掲載してくれています。

例えば「蛇にそそのかされてイヴがリンゴを食べてしまう」シーンでは、

実際に蛇とイヴが描かれている絵画と、

そのシーンの聖書の文章が一緒に掲載されており、

聖書と絵画を同時に味わうことができます。

たぶん、読み進めていくと見たことのある絵画がでてきて、

「聖書のこの場面を描いたものだったのか!」と

合点がいく瞬間があると思います。

さらに『アートバイブル』は旧約聖書、新約聖書、

キリストの弟子がかいたとされる福音書までを対象にしており、

聖書に書かれている順番通りに作品紹介を進めていきますので、

聖書全体の物語の流れを知ることができるのも嬉しいポイントです。

3.おすすめポイントその3:言葉の意味が分かる!

聖書をモチーフにしている絵画を見ているとたまに出会う

この言葉「ピエタ」。

どういう意味か分かりますか?

イタリア語で「慈悲」という意味の言葉なんですが、

絵画や彫刻など美術に限って言うと、

これは十字架にかけられた後のキリストの亡骸を、

母であるマリアが抱いているシーンをテーマにした作品の意味になります。

これはもう知らないと分からないですよね。

他にも絵画の中に意味深に現れる「I.N.R.I.」の文字など、

聖書をモチーフにした絵画には、知らないと意味がわからない

言葉や略語がたくさんあります。

わからなくても絵画の美しさは不変ではありますが、

どうせなら意味を分かったうえで鑑賞したいですよね。

その辺の言葉の意味も、『アートバイブル』を読むと

知ることが出来ます。

ちなみに「I.N.R.I」の意味はというと……

『アートバイブル』を読むか、調べてみてください。

ラテン語のとある言葉の頭文字をとった略語になっていますよ。

4.おすすめポイントその4:同じテーマの作品が並んでいる

『アートバイブル』は1つのシーンに対して、複数の作品が

紹介されているのも特徴です。

「蛇にそそのかされるイヴ」のシーンであれば、そのシーンを描いている

作品を7作品載せてあります。

このように、同じシーンをモチーフにした作品を一度に見ることが出来るのも

おススメポイントです。

実はこれ、美術館ではなかなか同じようにみることはできません。

まず、日本に限らず美術館はモチーフ別展示よりも、

製作された年代別で展示されていることが多いです。

さらに、日本に限って言うと、海外の美術館から借り受けて

開かれる展覧会は

 ・美術館別(ルーブル展、オルセー展など)

 ・作家別(ルーベンス展、ゴッホ展など)

 ・時代、派閥別(印象派展、ルネサンス展など)

こういったテーマ別に展示されていることが多いんです。

つまり、同じモチーフを使用した作品を同時に並べてみることは、

現実には難しいんです。

並べてみると、時代が変わったり、作家が変わったりするだけで

こんなにも作風に違いが出るのかと、かなり興味深いんですけどね。

これも『アートバイブル』ならではの面白みだと思います。


いかがでしたでしょうか?

 ・オールカラー

 ・聖書のどの場面をモチーフにしたかわかりやすい

 ・用語の意味も分かる

 ・同じモチーフの作品を同時に鑑賞できる

『アートバイブル』は我が家にある美術書の中でもお気に入りです。

この本、実は2まであって、そちらは絵画のみならず

彫刻などにも守備範囲を広げて聖書をモチーフにした

アートの素晴らしさを伝えています。

興味のある方は両方、手に取ってみてくださいね。

それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました。

よろしければ感想など、コメントに残していってくださいね。

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