お姫様になりたい その3
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息子のお姫様になりたい願望をかなえるため、スカートをはかせようとしたら、はかせ方が違うと怒られたわたしは、息子の要望に沿うため、ちゃんと大人がするように下からスカートをはかせた。
「これで満足?」 スカートをはかせるだけで、すったもんだしたので疲労感を感じていたため、口調には呆れが含まれていた。 「うん」 息子は嬉しそうにスカートをひらひらさせて部屋の中を走り始めた。どうやらやっとご満足いただけたらしい。 わたしも安心して他の家事にとりかかることにする。お弁当箱を汚れたまま放置するのは気持ち悪いと感じる性質である。
きゅっきゅっと音が鳴るまでお弁当箱を洗剤まみれにして洗っていると、息子は早くもスカートに飽きたのか脱ぎ捨てていた。5分も経っていない。 「もうスカートいいの?」 「うん」 そうですか、もういいんですか。はいていた時間よりはかせるまでにかかった時間のほうが長い気がする。
「ママ、あのね、お姫様って、プリンセスミミィがよかった」 息子がポツリと言い放った。 プリンセスミミィは「おかあさんといっしょ」に出てくるお姫様キャラである。たしかにピンクを基調としたふんわりとした形のスカート、というかドレスを着ている。 「あ、そう……」 他にどう反応できるというのだろう? 複雑な形のドレスを作れとでも? 子供の要望というのは時に親の限界を越えてくる。幸いにも息子は一応は満足していたようなので、お姫様になりたいと言ってくることは今のところない。
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