10連休は長すぎる
小説風育児日誌です、どうぞ!↓
幼稚園にもなじんだ息子だが、幼稚園がある生活になじんでいたのは母も同じだった。ゴールデンウィークの10連休中は、当然のように幼稚園はない。息子は家にいるのである。そして、旦那は休日出勤である。
久方ぶりに、息子と二人、ずっと一緒にいる日々が戻ってきた。少しずつ親離れしていっているとはいうものの、中身はまだ3歳児、そしてお友達からの影響でやんちゃ度が以前より格段にあがっていた。
今日も息子は絶好調で家で遊んでいる。車もブロックもその辺の出しっぱなしにしていろんな意味で全開であそんでいる。家にばかりいては私の気がめげそうだったので、外に出ることにした。行先は息子の希望で電車を乗り継いでいった先にあるおもちゃ屋さん。
おもちゃ屋さんに着いても息子の全開ぶりは止まらない。あっちのおもちゃ、こっちのおもちゃと、お店の中をちょろちょろと、出してあるおもちゃすべてを遊ぶ勢いで満喫していた。
お昼前になり、いい加減くたびれた私は息子をなんとか説得して帰路につかせた。今、何か我儘を言われれば瞬時に切れられる自信がある、そんな状態だった。
「ねえ、ママ」 しかし、3歳児に空気を読めと言うのは無理な話だった。 「なに?」 「今日ね……」 さあ、何を言い出すのだろう? 「すっごく楽しいよ!」 子供と言うのは天然ジゴロ(女児については適切な対語が思いつかなかった)なところがあると思う。よれよれの気持ちに水が優しく降り注いで若葉が蘇った、そんな気分だ。
「そうだね、ママも楽しかった」 たった10日間、されど10日間、だけど3歳のゴールデンウィークの10日間はやはり今だけなのだ。 「明日はどこ行こうね?」 大概自分も現金なやつだと思いながら、息子と手を繋いで歩くのはやはり幸せだった。
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