よくぞ気が付いた
小説風育児日誌です、どうぞ!
日本で生まれ育ったなら誰もが通る道にアンパンマンがある。幼児に大人気な丸くて甘いあんこの詰まった彼を知らない日本人はおそらくいない。
我が家の息子も大好きで、毎週録画は欠かせない。
そして、今日も幼稚園から帰って、ご機嫌にアンパンマンを見ていた。
エンディングのアンパンマン体操が流れている時にそれは起こった。
「ねえママ」
アンパンマンは君さ~♪ 勇気を出して~♪
テレビ画面にはキャラクターたちが元気に歌い踊っている映像が流れている。
「これ、ふしぎだね」
アンパンマンは君さ~♪ 力の限り~♪
「え? なにが?」
「だってさ、ばいきんまんまでアンパンマンは君さ、って言ってるよ?」
咄嗟に何も返事ができないほど驚いた。
息子が疑問に感じた着眼点にも驚いたし、30年以上生きてきて、全く息子が指摘した点について不思議にすら思ったことのなかった自分にも驚いた。
「ほ、ほんとだね~」
賢い賢い、と言いながら頭をなでると、息子はなんとなく満足した顔をして再びテレビに戻った。
子供の観察力というのは侮れないものなのである。
読んでくださってありがとうございました!