できるようになったよ!
小説風育児日誌です、どうぞ!
息子がチョキをできるようになった。チョキができると、他の指の形もできるようになったようで、1~5までを指で表現できるようになった。
息子は幼稚園の帰り、抱っこされながら「しゃきーん!」と効果音付きで、1~5までの指を何度も見せてくれた。
15キロ越えの体重が全身に重くのしかかろうが、それをチャラにする愛らしさであった。
そして、チョキができるようになったということは、人生において必需品といってもいい、じゃんけんができるようになったということでもある。
さっそく、息子に「最初はぐー」からじゃんけんを教えると、すぐに要領を飲みこみ、勝負ができた。
息子も楽しそうに「最初はぐー!」と何度も勝負をせがんでくる。
成長の嬉しさと可愛らしさの相乗効果で、私もデレデレしながら付き合った。
じゃんけんをするだけでこんなに幸せな時間が過ごせる日が来るとは思わなかった。
「最初はグー、じゃんけん、ぽい! あ、ママがパーで負けだね」
「もう一回!」
「最初はグー、じゃんけん、ぽい! あ、今度はグーでママの勝ち」
何度も繰り返すうちに、ほどなく気づいたことがある。
息子はチョキができるようになったのが嬉しくて、ずっとチョキばっかりだすのである。
気づいたからと言って、それを種に勝ち続けるのも面白くないし、指摘するのも幸せな時間を壊すようで気が引ける。
今のこの時間だけが、気づかないふりでじゃんけんをし続けよう。
読んでくださってありがとうございました!