天邪鬼太郎 困る
小説風育児日誌です、どうぞ!
言動のすべてを反対にする天邪鬼になった息子は、優しい習い事の先生にまで「天邪鬼太郎」という名前をつけられる始末。しかし、それくらいで反省するはずもなく、その後も天邪鬼太郎的行動は続く。
「はい、三角の形をしたものを探して!」
「やだぷー! さがしませーん」
「じゃあ四角の形をしたものは?」
「しらなーい!!」
見ていてハラハラする母の私だが、ベテランでもある先生は動じないどころか息子の状態を楽しんでいた。
「はい、これはなんでしょう?」
先生が差し出したのは丸い形のパネル。息子は当然天邪鬼太郎を貫く。
「丸じゃないでーす!」
「はい、そうです、これは赤いパネルです」
予想外の答えに固まる息子。確かに、パネルは赤い色をしていた。先生はニコニコと先を続ける。
「残念、丸じゃなかったねー」
しかし、息子は困ったように視線をきょろきょろさせると、ポツリと呟いた。
「やっぱり、丸です……」
さすが先生、ベテランなのである。
読んでくださってありがとうございました!