お姫様になりたい その2
小説風育児日誌です、どうぞ!↓
お姫様になりたいと言い出した息子が、スカートの色はピンクじゃなきゃ嫌だと言い張るので、ピンク色のスカートを持ってきた。
「ほら、これでいいでしょ?」 ひらひらと息子の前でスカートを広げると、満足そうに「うん」と頷いた。 下からはかせるのも面倒なので、上からポンチョのように被せてはかせる。スカートだからできることだ。着替えは女の子のほうが楽かもしれない。
「ねえ、ママ」 しかし、息子はスカートをつまんで何やら不満顔をしている。今度は何だ。 「どうしたの? ピンクのスカート、かわいいじゃない」 お姫様みたいよ、と言っても、息子は納得していない。本当にどうした? 「何か不満なの?」 そう尋ねると息子はおもむろにスカートを脱いでしまった。 なぜだろう? はく前に見せた時は機嫌が良かったというのに。 息子は脱いだスカートを私のほうにつきだした。
「ちゃんと下からはかせて」 スカートはそうやって着るものでしょ? そうじゃないとお姫様じゃない。 そこまではっきりとは言いはしなかったものの、彼のとがった口先はそう訴えていた。 お姫様に変身するのも一苦労だ。
読んでくださってありがとうございました! その3もあります。