漫画『炎炎の消防隊』の魅力は〇〇だ! 作品の魅力をご紹介
こんにちは、活字中毒の元ライター、asanosatonokoです。
今回ご紹介する作品はこちら
炎炎の消防隊 大久保篤 少年マガジン(講談社)
アニメ化もされた大人気作品です。完結済で全34巻、出版されています。
私は最初、アプリのマガポケか何かで無料お試しされていたのを読んだんですが、もうすぐにコミックス購入を決めました。
その時、無料で公開されていたのはコミックスで言うと2巻分くらいだったと思うのですが、まず第1話で主人公の人を助ける姿がカッコよくて一気に惹きこまれました。
詳しくは後述しますが、自分の足を発火させてそのエネルギーを利用して空を飛んだり、ピンチを切り抜けるアクションがすごくカッコよかったんですよね!
さらに主人公を取り巻く他のキャラクターもカッコいいのに、どこか抜けているところがあって気が付けばいろいろなキャラを好きになっていました。私のお気に入りは主人公の上司である秋樽 桜備(アキタル・オウビ)です。主人公のように発火させる能力はないのですが鍛え上げた肉体で火事現場に率先して向かって行く姿もカッコいいですが、部下のこともすごく気にかけていて頼りになる「理想の上司」! ……ですが、唯一の欠点は筋トレが好きすぎて常に体を鍛えていたり、もはや筋トレですらない苦行をしてしまったりしているところでしょうか(笑)
こんな感じでアクションとキャラクターの魅力にハマって即購入してしまったのですが、ストーリーもミステリアスだし、誰が敵か味方かわからないハラハラドキドキ感もあって、新刊の発売が待ち遠しい作品でした。
前書きが長くなりましたが、これからさらに詳しく『炎炎の消防隊』について語っていきましょう。
1.簡単なあらすじ
まずは『炎炎の消防隊』がどんなお話なのか、簡単にご紹介しましょう。
物語の舞台は現代の東京をモデルに作られた世界です。そこでは多くの人が暮らし、電車や車を使用して生きる、今の私たちとあまり変わらない生活を送っています。
主人公は森羅 日下部(シンラ・クサカベ)。
彼はまだ十代半ばの少年ながら、新しい職場へと向かうために期待に胸を膨らませながら駅のホームで電車を待っている……そんなところから物語は始まります。
しかし、そこでいきなりハプニング発生です。
森羅が乗るはずの電車内で、火事が発生してしまうのです。
それもただの火事ではありません。焔人(ほむらびと)という人体が突然発火するという現象による災害です。
焔人とは、ある日突然、普通の人間が体中から炎を発する謎の現象のことで、普通の消化方法では消化することができません。焔人がひとたび現れれば、そこは火事の渦。絶対に遭遇したくないレベルの災害、それが焔人です。
しかし、通常の消化方法では消化不可能な焔人にも弱点があります。
それが「特殊消防隊」です。
特殊消防隊には火を操ったり、自ら発火させたりできる「能力者」が所属しており、その能力を駆使して焔人と戦い、火事を鎮火するのが彼らの仕事です。
そして、主人公の森羅の就職先が、まさに「特殊消防隊」なんです。
電車から降りてくる焔人と向かい合う森羅。初めての現場に緊張が走ります……
と、そこに駆け付けたのが第八特殊消防隊のメンバーでした。火を操る能力であっという間に焔人を鎮火してしまいます。
鮮やかな特殊消防隊の活躍に見惚れる森羅。
森羅が特殊消防官として活躍する物語が、始まりました。
2.ジャンル:バトルファンタジー
『炎炎の消防隊』には森羅や第8特殊消防隊のメンバーの他にも、多数の「能力者」が登場します。
この能力者たちのバトルが凄くカッコいい!
代表として主人公の森羅の能力をご紹介しましょう。
森羅の能力は自分の足から発火させ、そのエネルギーを利用した強力なキックで戦います。通常の消火がきかない焔人も森羅の強烈なキックで消火することが可能です。
また、森羅は発火のエネルギーで自在に空を飛ぶことも可能です。
華麗に空を飛びながら足技で敵と戦う森羅の姿……カッコいいそのものです。
他にも、森羅の同期でありライバルであり、同じ第八特殊消防隊に配属になるアーサー(イケメンです、お馬鹿だけど)は炎を剣の形にして騎士のように戦います。こんな王道の能力を持ったキャラクターもいますし、炎を美しい花の形に変えて空中に舞わせることで酸素を奪い窒息させてくる……なんて恐ろしい技を使う人もいます。
キャラクターによって能力は様々。彼らが自分の能力を駆使して焔人や、時に互いに戦うバトルが楽しめる、それが『炎炎の消防隊』です。
3.謎が謎を呼ぶストーリー
バトルがカッコいい『炎炎の消防隊』ですが、面白さはそれだけではありません。
主人公の森羅が追い求めていく世界の謎が、少しずつ解き明かされていくストーリーも抜群の面白さ! です。
森羅たちの生きる世界に、例えばどんな謎が隠されているのでしょうか?
その例の一つが「焔人」です。
ここまで、普通の人がある日突然発火して生まれる「焔人」がいて……と、普通のことのように書いてきましたが、そもそも「焔人」ってなに?^^; なんで突然人間が発火するの? 森羅たちの住む世界には、現実世界に生きる私たちには予想外すぎる出来事が頻発しています。
想像してみてください。ある日、突然、隣に座っていた家族、恋人、友人がいきなり火を噴きだして焼き尽くされていく姿を。
想像を絶する痛みの中、その人は苦しみ、あなたを巻き込もうとしてくるかもしれません。
または、あなただけは助けようと、じっと発狂しそうな苦痛をこらえているかもしれません。
いずれにしろ、地獄絵図。
森羅たちの生きる世界はそんな災厄に「いつ」「誰が」巻き込まれてもおかしくない、とても不安定で非情な世界です。
「焔人」はなぜ生まれるのか?
「焔人」の発生を止めるにはどうしたらいいのか?
この大きな謎を解き明かそうと、森羅たちは日々「焔人」たちと戦いながら真実を追い求めていきます。
その真実を追い求めていく過程が、ものすごくスリリングです。
あまり書くとネタバレになるので詳しく書けないのはもどかしいですが、例えば、「焔人」の発生には、実は特殊消防隊も関係しているとしたら……?
本来、「焔人」を消火するのが任務であるはずの特殊消防隊の中に、「焔人」を利用しようとしている人物がいるとしたら、森羅たちが戦うべき敵は「焔人」自体ではないのかもしれません。
それに、次に浮かんでくるのは「誰が」「なんのために」そんなことをしているのか? という疑問です。
このように、
一つ隠されていた真実が見えてくると、また新しく次の謎が生まれてくる、謎が謎を呼ぶストーリーが作品の持つ大きな魅力になっています。
それに加え、『炎炎の消防隊』では次々と個性的で魅力的な新キャラクターたちが登場するのですが、彼らが森羅たちの敵なのか、それとも味方なのか、曖昧なままどんどん話が進んでいくところも面白さの一つでした。
特殊消防隊も森羅が所属するのが「第八」ということは、第一から第七まで、七部隊もあるわけです。他の隊に属する特殊消防官も続々と登場するのですが、その誰もが一癖も二癖もある連中ばかりです。。。初登場時は誰もが怪しく見えて仕方ない!(笑)
そんな怪しい連中と火事現場で共闘・協働しなければならない森羅たちは、いつ裏切られてもおかしくないわけで……
ハラハラ、ドキドキ。
早く続きを読みたすぎる……! 完結する前に読み始めた私は、コミックスの新歓が出るのを今か今かと待ち構えていました(笑)
今はもう、完結しているので一気読みしようと思えばできますね、いや、うらやましい!
4.科学・哲学好き、集合!
ファンタジックな要素も登場する『炎炎』ですが、実は現実に則した要素も多く登場し、科学好きにもおススメです。
例えば、バックドラフト、火災旋風、なんて言葉をご存知でしょうか?
実際の火事現場でも発生しうる、超危険な現象なのですが、『炎炎』でもこういった現象が発生します。
さすが消防をモチーフにしただけあって、かなり下調べが入念にされているのを感じます。
ただの火事だけでも危険なのに、それに輪をかけて危険な状況が森羅たちに襲い掛かるのですが、これにどうやって立ち向かうかというと、それは「科学」の力だったりします。
もちろん、火を自在に操ったりする力をもつキャラクターがいる前提の話ではありますが、大災害を止めるために地形や天候を考慮した作戦を組み立てたり、原子や分子のもつ特徴だったりを加味して消火・鎮圧の作戦を組み立てていくのは、科学好きにはたまらない面白さがありました!
『Dr.ストーン』という漫画がありますが(原始時代から人類の進化をやり直す、みたいな話です)、ああいう科学ものが好きな方には『炎炎』もおススメです。
また、『炎炎』がとりあげる科学の領域は話が後半にさしかかってくると「心理学」や「哲学」の世界にも足を踏み入れるようになっていきます。
人間は生まれた瞬間に死に向かって歩みを始めている。
誰かは忘れましたが、こんな主旨の言葉を哲学者が遺しています。
では、人間にとって死とはなんなのか? 恐怖なのか、それとも救いなのか?
『炎炎』の世界はそんな境地にまで踏み込んでいくようになります。
好き嫌いがわかれるテーマかもしれませんが、他の漫画にはあまりない要素・展開へと向かって行くので、個性的な作品を求める方にもぜひ読んでみてほしいです。
5.イケメンもいる!
私が漫画を読む上で大きな楽しみの一つとなっているのが、コレ。イケメンです。
別にいなくても楽しめますが、いるとなおさら楽しい!
『炎炎』にも主人公の森羅を始めカッコいいキャラクターが多数登場します。
中でも私のイチ推しは新門紅丸(しんもんべにまる)です。
彼は第七特殊消防隊の隊長であり、現実世界で言う浅草界隈の守護神ともいえる存在です。
口は悪いし態度もでかい。火事の消火方法も辺りをぶっ壊す暴れっぷり(焔人より紅丸が壊してる家屋の方が多い説あり)。正直、初登場時の印象はよろしくない!(笑)
それでも、紅丸は知れば知るほど「イケメンだわー」と思える魅力を持っています。
少しだけその魅力をご紹介すると、まず、とにかく「最強」であるということです。
特殊消防官には火を操ったりする能力者が多いのですが、能力者にも限界があり、火を発火させる能力者は火を操ることができなかったり、その逆に火を操ることが出来る能力者は火を発火させることはできなかったりします。
しかし紅丸はその大前提を覆し、自分で発火させつつ、その火を自在に操れる、作中唯一のキャラクターなんです!
その火力のデカさも能力の巧みさも、間違いなく「最強」。
『進撃の巨人』でいうリヴァイのような存在です。
そして、めちゃくちゃ強い紅丸は、実は意外と優しかったりもして……
口や態度にはあまり出しませんが、大病を患っている兄弟子の看病を自らやっていたり、「めんどくせえ」と言いつつ森羅たちの稽古をつけてやったり……
あなた、実はいい人でしょ、な感じが個人的にはツボでした。
私は紅丸がイチオシですが、他にも魅力的な男性キャラがいっぱいですので、きっとお気に入りが見つかるはずです! とりあえず『炎炎』は紅丸が本格登場する5巻までは読んで見てほしいです。
あ、女性キャラクターも可愛い子がいっぱいです、そこは安心してください。
6.『ソウルイーター』も読むべし
ここからは最後まで読み進めた方向けのメッセージです。
『炎炎』を最後まで読んでみてどうだったでしょうか?
面白かったと思うのですが、最後の数ページ、実は「意味がわからなかった」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
私も友人に『炎炎』を貸したのですが「一番最後はどういう意味だったのかよくわからかった」と言われてしまいました^^;
それもそのはず、最後の数ページは、同作者による別作品『ソウルイーター』を読んでいないと、意味不明です!(断言)
逆に言えば、『ソウルイーター』を読んだことのある人にとっては「そういうことだったの!?」となります。
ドラクエ1,2,3とプレイしてきて、3のエンディングを見た時の感覚に近いものがあると思います(これまた例えがマニアックで申し訳ない……)
まあ、数ページが意味不明でも『炎炎』の面白さは変わらないと思うので、これは興味のある方へという感じですが、『ソウルイーター』も面白いですよ! これを機会に読んでみるのもいいと思います。
たまーに、アプリなんかでも全話無料解放されていることがありますので、探してみてはいかかでしょうか。
ちなみにどんなお話かというと、死神が武器になれる人間を相棒にして、その武器を完成させるべく悪人の魂と魔女の魂を狩る、って感じのお話です(この説明でわかる人いたらすごい)。
いかがでしたでしょうか?
『炎炎の消防隊』はカッコいいキャラクターによる迫力あるバトルと、謎が謎を呼ぶストーリーが魅力的な漫画です。
完結済なのでコミックスで一気読みできるのもポイントが高いです!
ぜひ手に取ってみてくださいね。
それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました。
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