小説風育児日誌
タイトルのようなものを書き始めようかと思います。あくまで小説風、なので日記以上物語未満、基本は日常の一コマを小説風に記した実体験記です。
それでは、さっそくどうぞ↓!!
タイトル 「ご褒美がほしい」
私にはこの春から幼稚園の年少組に通い始めた息子がいる。3歳で、まだ言葉はたどたどしさを残しつつ、だんだんやんちゃになってきた、可愛い盛りの息子だ。息子はとても甘えん坊で、幼稚園バスの乗り場から家までの道のりは、ほぼ私の抱っこである。ちなみに、息子の体重は15kg前後、正直重い。歩いて15分ほどの距離だが、ずっと抱っこはしんどい。しかし、まだ入園したてで、気持ちも不安定であろう息子のため、我慢して抱っこをする日々である。
そして今日も、息子の迎えに行き、帰りは当然のように抱っこを求められ、のろのろと彼を抱えながら歩いていた。息子は少し疲れたのか、私の肩に手を回し、もたれかかるようにしている。肩に体重が少しかかってしまうため、余計に重く感じる。
途中、トンネルがある。距離は260mらしい。けっこうな長さである。このトンネルの中は、息子も歩くことが多いので、今日もそう促したが、彼はいやいやと首を振った。
「疲れたから嫌だ」 「ママも疲れたよ。トンネルの中くらい歩こう?」 「やだぷー」 と、生意気な口をきいて口をとがらせている。仕方ない、今日は260m分、余計に筋トレをしたと思うしかない。思うしかないが、現状において、腕がしびれてきているのは確かだ。私は現状打破のために、息子に質問をすることにした。 「ママの抱っこ、好き?」
息子は、きゅっと肩に回した手に力をこめた。 「うん、大好き!」 満面の笑顔である。
それじゃあ仕方ない。心持ちしびれが薄れた腕に気合をいれて、私はトンネルの向こうをめざした。
読んでくださってありがとうございました!