安住の地
小説風育児日誌です、どうぞ!
息子は水が顔にかかるのを極端に嫌がる。ずっと小さい頃から、第一子なこともあって大事に育て過ぎたせいである。
お風呂の時間は向き合って膝に抱っこして、頭を片手で支えておろし、美容院のようにしてシャンプーをしている。
しかし、父親と入る時は勝手が違い、容赦なく頭からざぶん、とお湯をかぶせられてしまうらしい。土日の夕方に、お風呂から息子の「いやいやいやー!!」という悲鳴が聞こえてくるのがその証拠である。
そして、父親としては息子の水嫌いを治すため、さらなる荒療治として、今までは1回のお風呂につき1回だけのお湯かけを、先週末から2回に増やしたそうだ。
1回ですらちょっとパニックになっていた息子は、2回のざぶんにより、相当なストレスを感じたらしいのである。
息子はお風呂からあがってくるなり、私に抱き着き、ぶちゅーとキスをしたきた。
嬉しいは嬉しいが、とりあえず水気を拭いてからしてほしかった。
そして、着替え終わると、ペタっと私にくっつき、「やっとママに会えた…」としみじみ言ったのである。
嬉しい、嬉しいが今日も1日ずっと一緒にいたと思う。なんだったら幼稚園のある平日よりも一緒にいたと思う。そして、息子がお風呂に入っていた時間はおそらく10分程度だ。
その息子の様子と、次の日に「ママと入る」と言われてしまった父親は、やはりお湯かけを1回に戻す、と寂しそうに呟いた。
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