【超短文!読書感想vol.7】児童文学の父によるシビアな大人向け童話
こんにちは、活字中毒の元ライター、asanosatonokoです。
今回ご紹介する作品はこちら
老工夫と電灯 小川未明 青空文庫で無料公開中
作者は「日本児童文学の父」とも言われた人で、今回ご紹介する作品にも副タイトルとして「大人の童話」という言葉が入っています。
お話は1人の老境にさしかかった男がトンネルの中へ入って行くところから始まります。男は人生に疲れ切っており、ふと、トンネル内の電灯に目を向けます。

「何の変化もなく、光ってさえいればいい電灯になりたい……」
と、少々、いやかなり悲観的になっているようです。
そんな男と電灯の間に、小さな事件が起きるのですが……
「大人の童話」と銘打っているだけあって、ごく短い作品ながら、いろいろな人生訓を得られる作品だったと思います。
どんな人生訓を受け取るかは読んだ人次第だと思いますが、私は、というと「この世で変化のないものなどない」というものでした。変わっていく中に身を置くしかないのよね……
あと、「この老工夫はたとえどこにいても自らの望む平穏を得ることは難しいだろう」とも思いました。
童話とはいえ、大人向けだけあって手厳しい作品だったなと思います(笑)
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